今日からコンバインドがスタート。野口啓代「予選落ちしたら意味がない」。スピード予選終了後の選手コメント/IFSCクライミング世界選手権2019八王子
17日に行われたIFSCクライミング世界選手権2019のスピード。日本勢は全員が予選敗退に終わったが、終了後に確定した3種目の総合成績により男女とも5名が18日からのコンバインド予選に駒を進めた。以下、スピード予選を終えた選手たちのコメント一覧。
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楢崎智亜コメント(22位)
「プラクティス1本目で珍しく初手で落ちてしまって、2本目でしっかり6.6秒くらいが出せて安心できた。そこから本番で良いタイムを出すことができた。2本目をスキップしたのは指皮を考慮して。体力的には問題ない。(3種目を終えて)かなり良い感覚できている。順位的にも良い。流れに乗れたなと思うし、大きい失敗がなくてよかった。明日も休みなので完全に回復できると思う。コンバインドに向けての緊張感もそれほど感じていない」
藤井快コメント(29位)
「(スピードを終えて)正直、なんとも言えない。もっと良いタイムが出したかったし、出せる感覚はあった。目標であるコンバインドに進めたのは良かったが、もう少し良い感覚で終えられれば良かった。明日しっかりと休んで、明後日に向けて体をリフレッシュしたい。3種目を総じて見ると微妙だなと思う。課題や状況は変わったりするので、コンバインドはまた違ってくる。引きずらずに切り替えていきたい。リードがキーになってくることはわかっているので、ボルダーとスピードで良い順位を取って、最後のリードは体も動かなくなってくると思うので、そこは気持ちで負けないようにしていきたい」
原田海コメント(32位)
「自己ベストに近いタイムが出せたので嬉しい。練習で2回落ちてしまって、わからない状態での1回目だった。狙いにいってもないし、置きにいってもいなかった。コンバインド予選に残るというのは想定通り。ただ、一つ一つを見ていくとボルダリングやリードの順位はもう少しいけたらよかった。まずは次の予選を通過しないと始まらないのでそこに集中したい。僕の場合、スピードはあまり得意じゃない。スピードのタイムを安定させて、ボルダリングとリードで勝負をしたい」
楢崎明智コメント(38位)
「鳥取で合宿したあとに1回やっただけで、久しぶりにスピードをやった。本当はプラクティスから良いタイムを狙っていた。下部の調子はそこまで落ちてなかったが、上部が若干イメージと違った。(3種目終えて)やっぱりボルダーとリードでもう少しいい成績を出したかった。でもコンバインド選手の中で両方12位というのはそこまで悪くない。疲労感的にも決勝に出ていない分、そこまで悪くない。1日3種目というのは体力的にもそうだが、メンタル勝負にもなる。僕はチャレンジャーとしてプレッシャーなく挑める」
土肥圭太コメント(39位)
「スピードでは安定したタイムが出せればいいと思っていたので、そこはきっちりと達成できた。コンバインドは全部ベストを出し切るしかない。戦略というよりは、ボルダーの課題が自分に合っていれば嬉しい。(初めての世界選手権という舞台について)正直、世界選手権とW杯の違いをあまり感じていない。気持ち的にもそこへ入り込まないようにしているので、普段通りできていると思う。コンバイド決勝に進出するのが今大会の目標なので、そこに向けて大会内でも一番集中した状態で臨みたい。各種目についてベストを尽くしたいし、ベストを尽くしても厳しいくらいだと思う。順位を気にするよりはベストを出すことにフォーカスしたい」
野中生萌コメント(25位)
「最悪だった。練習ではずっと8秒の真ん中らへんを出せていた。全く満足できていない。色んな原因はある。体調だけでなく、ムーブで止まってしまったり、そういうミスもタイムに繋がる。そういうところも敗因だと思う。ここまでの結果は置いておいて、明日からは切り替えて再スタートという気持ちでやりたい。肩を痛めていたのでレストを優先したおかげで体力的には疲れていない。(明日のポイントになるところは)まずは全てでミスをしないこと。一つ遅れてしまうと巻き返しは難しい。持ち味のスピードでまずはしっかりと記録を残したい」
伊藤ふたばコメント(27位)
「2本目ミスした中で9.2秒が出せたのはよかった。ミスがなければ8秒台も見えている。体がしっかりと動いていた。ボルダーは決勝にはいけなかったがコンディション的には良い状態だと感じられた。その悔しさをバネにコンバインドは頑張りたい。昨日しっかりとレストできたので疲れはない。(3種目の出来について)ボルダーは悔しい部分が大きい。リードは最近力を出し切れないことが多かったが、今回は出し切れたので自信になった。スピードも悪くなかったので、明日は全部の種目でしっかりと頑張って決勝に行きたい」
野口啓代コメント(34位)
「1本目で足が滑ってしまって、2本目でうまくいくか緊張した。自己ベストに近いタイムが出せたので明日のコンバインドに向けて良い登りができたと思う。コンバインドでベストを更新したい。これまでは1種目に集中すればよかったが、明日からは1日で3種目なので集中の仕方も違う。ゼロからのスタートだと思っている。単種目の結果だとヤンヤに次ぐ2位で通過していると思うが、明日で予選落ちしたら意味がない。絶対に決勝に残りたい。全ての種目で自分の良いところを出すことがポイントになる。体力的にも問題ないし、指の皮も全く痛くない。気持ち的には緊張している」
倉菜々子コメント(44位)
「1本目が10秒台で自己ベストから遠かった。2本目で9秒台を絶対に出したいと思って9秒後半で、自己ベストに届かなかったので悔しい。壁の感じがいつもと違って、フリクションが強くて登りやすいんですけど、自分には合わないところもあって流れに乗れなかった。ここまでの疲れもあった。だいぶ壁に慣れてきているのでコンバインドではまずスピードで良いタイムを出したい」
小武芽生コメント(57位)
「両方ミスしてしまったが、できることしかできなかった。練習以上のことを出すのは難しい。新しい発見と楽しさがあった。全競技やれることはできたので楽しかった。もちろん順位では満足できないが、もっと準備ができればもっと上にいける手応えはあった。私は去年のスピードでも12秒台だったが、今大会は(周囲の選手が)9秒台が多くてその差は大きかった。3種目目指すならスピードも上げなければいけないと思った。(応援してくれる人たちに良い姿は見せられたか)物足りない気もするが、やれることはやった」
森秋彩コメント(60位)
「今日あまり調子がよくなかったけど12秒台が出せてよかった。昨日のレスト日は家族でライオンキングの映画を見て温泉に行ったりして楽しんだ。(明日からのコンバインドでは)リードで良い成績を残すことが決勝に繋がると思う。まずはリードで3位以内を目指して、スピードとボルダーでもベストを尽くしてなるべく上位につけて、五輪に出場できる順位に近づけていきたい」
CREDITS
取材 篠幸彦 / 文 編集部 / 写真 高須力