THE NORTH FACE CUP 2019/09/20

開幕！「THE NORTH FACE CUP 2020」

　8月25日、都内のクライミングジム・MABOO（マーブー）にて、今年も国内最大規模のボルダリングコンペがスタートした。

　THE NORTH FACE CUP（ザ・ノース・フェイス・カップ、以下TNFC）は、クライミング界のレジェンド平山ユージ氏が代表を務めるBase Campが主催し、THE NORTH FACEが冠協賛するボルダリングの全国大会。2001年のスタート当初は小規模なものだったが、年々拡大していき、今やそのスケールは国内王者を決める公式戦、ボルダリングジャパンカップをも凌ぐ。

　本特集では、世界に名高いボルダリング大国・日本を下支えしているといっても過言ではないTNFCを、様々な視点から紹介していく。第1弾では、このたび開幕したTNFC2020の概要をナビゲートする。

国内最大のエントリー数

　TNFCを語るうえでまず挙げられるのが、国内では他に例を見ない参加者の数だ。前回大会には合計約2,300名ものエントリーがあったが、今大会ではすでにその記録を更新。カテゴリーも充実していて、プロも参加するDivision 1からビギナーレベルのDivision 5（女性はWomen‘s Division 4）、小学2年生以下が対象のU-8まで、2020年大会では男女合わせて12ものレベル分けがされている。

［カテゴリー一覧］
① Division 1（4段以上を登れる男性）
② Division 2（2段～3段を登れる男性）
③ Division 3（1級～初段を登れる男性）
④ Division 4（3級～2級を登れる男性）
⑤ Division 5（キッズカテゴリー［U-8/U-10/U-12］以外のビギナーレベル［6級～4級］の男性）
⑥ Women’s Division 1（初段以上を登れる女性）
⑦ Women’s Division 2（2級～初段を登れる女性）
⑧ Women’s Division 3（3級～2級を登れる女性）
⑨ Women‘s Division 4（キッズカテゴリー［U-8/U-10/U-12］以外のビギナーレベル［6級～4級］の女性）
⑩ U-12（小学5・6年）
⑪ U-10（小学3・4年）
⑫ U-8（小学2年以下）

TNFCの本戦は、多くの選手・観客でにぎわう。（写真は今年3月に行われたTNFC2019より）

全国各地での予選ROUND

　参加者の多くは例年3月にClimb Park Base Camp（埼玉県・入間市）で行われる本戦大会の出場を目標に、まずは全国各地で実施される予選ROUNDで上位入ることを目指す。そこで出場権を満たした選手と国内外の招待選手が本戦に出場し、各カテゴリーのチャンピオンを決定する。TNFC2020の予選ROUNDはDOGWOOD調布店（東京・調布）が新たに加わり全13会場で行なわれる。

　毎年7月頃にエントリーがスタートするが、エントリー先のクライミングコンペティション運営サイト「ONE BOULDERING」には申し込みが殺到し、つながりにくくなることもしばしばで、その人気の高さを物語っている。

［予選ROUND一覧］
ROUND 1
2019年08月25日（日）
MABOO（東京都）

ROUND 2
2019年08月31日（土）
Whipper Snapper Gym（北海道）

ROUND 3
2019年09月14日（土）
FLAT bouldering（山形県）

ROUND 4
2019年09月21日（土）
GRAVITY RESEARCH なんばB（大阪府）

ROUND 5
2019年09月28日（土）
Base Camp Tokyo（東京都）

ROUND 6
2019年10月12日（土）
Play Mountain! 名古屋IC店（愛知県）

ROUND 7
2019年11月02日（土）
rocks CLIMBING GYM 倉敷（岡山県）

ROUND 8
2019年11月23日（土・祝）
Bouldering Gym Share（神奈川県）

ROUND 9
2019年12月07日（土）
Fish and Bird 東陽町（東京都）

ROUND 10
2019年12月21日（土）
Climbing JAM 静岡店（静岡県）

ROUND 11
2020年01月11日（土）
PUMP 大阪（大阪府）

ROUND 12
2020年01月25日（土）
OD 小倉店（福岡県）

ROUND 13
2020年02月01日（土）
DOGWOOD 調布店（東京都）

本戦
2020年03月14日（土）・15日（日）
Climb Park Base Camp（埼玉県）

国内外の強者たちが集結する本戦

　本戦は、競技者、そして観客も唸らせる高難度課題に音や光の演出が加わり、予選、準決勝、決勝と熱気あふれる戦いが2日間にわたって繰り広げられる。

　決勝はTNFCならではのユニークな形式で進行。到達高度を成績に反映し、またトップクライマーが集結する最上位カテゴリーのDivision 1、Women’s Division 1では課題を進めるごとに人数が絞られるサドンデス方式を採用している。

TNFC2019本戦決勝では、桜の演出が施された。

　参加者に先着で提供されるオリジナルノベルティーも恒例となっており、これまでにはTシャツやシューズケースなど、“クライマーの証”なるものが用意されてきた。TNFC2020でもクライマー必見のアイテムが準備されている。

予選から登り応えは120%超！

WhipperSnapperGym（北海道・札幌）で開かれた2020の予選ROUND 2。今年も多くの参加者が集まった。

　そして先述の通り、8月25日にTNFC2020の予選ROUND がMABOOでスタート。31日には札幌にあるWhipperSnapperGymでROUND 2が行なわれ、それぞれ143名、139名が出場した。

　予選ROUNDには国内トップクラスのクライマーがゲスト参戦することも多々あり、ROUND2にはボルダリングW杯2017年間4位の実績を持つ渡部桂太がゲスト参戦。ハイレベルなムーブを繰り出して会場を盛り上げた。

渡部桂太コメント
「TNFCには小学4年生の頃から出場しています。これまでにもゲストとしていくつかの予選ROUNDに出たことがありますが、札幌でのROUNDも楽しかったです。各会場ごとに“味”があるのもTNFCの面白い所だと思います。ブース出展もあったり、年々イベントとしての熟成度が上がっている気がします。本戦は決勝に行けたり、行けなかったりなので、そろそろ表彰台や優勝ができたら嬉しいですね」

ROUND1・2リザルト
（上記ページ内の各ROUNDを選択）

　さらにTNFCの発起人であり、予選全ROUNDと本戦の大会MCを務める平山ユージからも熱いメッセージが到着した。

平山ユージコメント
「今年も遂にTNFCが始まりました。しかも2020！Tokyo2020の響きを感じながら勝手に一人盛り上がってます。しかしながら参加者はすでに2,400名を超え、予選から選手達の熱い鼓動がドックンドックン響いて来る。その選手達の想いに我々も熱く答えるべく、課題のクオリティーに妥協はなし。予選から登り応えは120%超！さらに本戦はシード権を与えられた国内選手、それから海外のゲスト選手などスーパースター達の祭典になること間違いなし。トップ選手のクライミングを真近に感じ、そして参加する選手達も思いっきり登って、TNFC2020を大いに楽しんでくれ！」