安楽宙斗(中央)と楢崎明智(右)が開幕戦の表彰台に上がった

安楽宙斗が開幕戦優勝 高い修正力を発揮 楢崎明智も3位で表彰台【ボルダーW杯2025 第1戦柯橋大会】

 中国・柯橋で20日、クライミングW杯ボルダー第1戦の男子決勝が行われ、安楽宙斗が全4課題を完登して最多99.7点を獲得し、開幕戦を勝利で飾った。楢崎明智も3位に入り、日本勢2人が表彰台に上がった。

 日本男子は今大会に6人が出場。予選は全5完登した安楽がほぼ満点の124.9点でトップのスコアをマークするなど、日本勢は全員が準決勝に進んだ。安楽は準決勝でも好調を維持し、3完登の84.4点で2位通過。楢崎明智、智亜も2完登して6位、7位タイで決勝に進出した。

 決勝は第1課題から日本勢が躍動する。まずは楢崎智亜がスムーズにムーブをつないで一撃。ガッツポーズを繰り出すと、直後に登る弟の明智も一撃する。さらに7番手の安楽は1度失敗したあとに2分以上の時間を空けてリトライ。今度はノーミスで登り切り、壁を叩いて喜んだ。準決勝首位のイ・ドヒョン(韓国)も1トライで攻略し、この課題は日韓の4人が完登した。

第3課題を完登した楢崎明智

 バランス感覚が問われる第2課題は、楢崎明智が7トライを要しながら登り切ると、安楽は左足の踏み位置を修正するなどして再び2トライ目に完登する。イが完登まで4アテンプトかかったことで、0.2点差で安楽が首位に立った。動的なムーブが続く第3課題は、体を反転させてから再び180度回転して飛びつく一手を楢崎明智が6トライ目に決め、そのままトップホールドに達して3連続完登を記録する。安楽は同じ反転後のムーブで落下するも再び2トライ目に修正し、3つ目の完登を刻んだ。イも3完登したことで、勝負のゆくえは最終第4課題に委ねられた。

最終課題を登る安楽宙斗

 最終課題は2課題続けて完登を逃していた楢﨑智亜が苦戦していたアンダーをうまく処理し、残り7秒で完登した一方、明智は登り切ることができず、連続完登が途切れてしまう。アテンプト数の差でイをリードする安楽は、手足を伸ばしながら手数を重ねていき、ゴール下でのパワフルなムーブにも耐えて一撃。イの競技を待たずして優勝を決めた。一撃が1回、二撃が3回と安定したパフォーマンスで全4課題を完登した安楽はボルダーW杯で通算3度目の優勝。楢崎明智も3位で表彰台に上がった。楢崎智亜は4位だった。

<決勝リザルト>

1位:安楽 宙斗(JPN)/99.7pt
2位:イ・ドヒョン(KOR)/99.3pt
3位:楢崎 明智(JPN)/83.9pt
4位:楢崎 智亜(JPN)/69.6pt
5位:メジディ・シャールック(FRA)/69.5pt
6位:サム・アベズー(FRA)/69.5pt
7位:ポール・ジョンフ(FRA)/44.6pt
8位:オレン・プリヘド(ISR)/29.7pt
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9位:天笠 颯太(JPN)※準決勝進出
11位:杉本 怜(JPN)※準決勝進出
20位:藤脇 祐ニ(JPN)※準決勝進出

※左から順位、氏名、所属国、獲得ポイント
※ポイントはゾーン到達で10点、完登で25点。各課題のポイント獲得までにフォールした回数×0.1点が減点される

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編集部 / 写真 © Kazushige Nakajima / IFSC

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