
安楽宙斗がプロクライマー宣言後、初のイベント参加「楽しくできた」【三井不動産 presents JMSCAクライミング体験キャンプ in 東京ミッドタウン】
3月15日、六本木にある東京ミッドタウンを舞台にボルダー体験イベント「三井不動産 presents JMSCAクライミング体験キャンプ in 東京ミッドタウン」が行われた。ゲストとしてパリ五輪の男子ボルダー&リードで銀メダルに輝いた安楽宙斗が登場し、プロクライマーに転身して初めてのイベントに参加した。
イベントに参加した安楽
イベントはJMSCA(日本山岳・スポーツクライミング協会)が主催し、協会オフィシャルスポンサーの三井不動産が特別協賛。スポーツクライミングの普及・発展を目指し、多くの方にスポーツクライミングを体験してもらうためのもので、昨年に続き東京ミッドタウンで行われた。東京ミッドタウンを所有する三井不動産は「スポーツを活用した街づくり」の一環として、全国の商業施設でスポーツ教室など様々な取り組みを実施している。
東京ミッドタウンのイベントスペースには、高さ3.6mの垂壁と、高さ2.6mで最大130度まで傾斜を変更できる仮設のボルダー壁が設けられた。イベントは事前応募で集まった子どもたちに安楽が直接指導する1部、2部と、2部終了後に誰でも登ることができるフリー体験が行われた。
東京ミッドタウン内のイベント会場
イベントには多くの人たちが集まった
今春に高校を卒業し、12日にプロクライマーの道を歩むことを会見で発表した安楽はプロとなって初めてのイベントで講師役を担った。参加者の半数以上がクライミング初体験となった中、安楽は落ちてしまったら途中から再開させたり、完登まで迫るも体が上がらない子を押し上げたりして登り切る成功体験を何とか味わわせようと熱心に子どもたちのクライミングをサポートした。
安楽がパリ五輪で獲得した銀メダルを見せると、子どもたちは興味津々に見入った
体験イベントの様子
挑戦を後押しする安楽
傾斜角度を変えられる壁は途中で100度から110度に変化。子どもたちは傾斜が変わることでの難しさを体験するも、あきらめずひたむきにトライを続けていた。デモンストレーションでランジを披露した安楽は、直筆サイン入りの参加証明書を手渡しして最後まで子どもたちに特別な時間を提供した。その後のフリー体験では、1部、2部に参加していた子どもが登れなかった課題に何度もチャレンジし、フリー体験で訪れた子どもたちと一緒に夢中になって登る姿が見られた。
子どもたちは夢中で登り続けた
ランジで会場を沸かせた安楽
最後には参加証明書を手渡し
フリー体験会で笑顔を見せて登る子ども
フリー体験会の様子
2部終了後、プロ宣言後では初のイベント参加を終えたばかりの安楽に話を伺った。
安楽宙斗インタビュー
――初心者が多く集まったイベントとなりました。感想を教えてください。
「クライミングが初めての子のことを考えると専門用語は使いづらいので、そこに気をつけながらでしたが楽しくできました」
――プロクライマー宣言の会見では「クライミングの楽しさを伝えていきたい」と話していました。さっそくその機会が訪れましたが、うまく伝えられましたか?
「できたかなと思います。初めてのクライミングって1人ではなく2、3人と一緒にやることでより楽しめてハマる場合が多いと思うので、1人でも楽しめるような手助けをうまくできればという思いでした」
――なるべく子どもたちが成功体験を得られるようにサポートしていたように見えました。
「そうですね。時間がそんなに多くはないと思ったので、落ちたら途中からとか、完登まで行けそうだったらちょっと押してあげるとかして、より楽しんでもらおうと心がけました」
――参加した子どもたちに向けてメッセージはありますか?
「初心者の子は、時間とかは気にせずに思う存分登って家に帰るのを繰り返していくといいかなと思います。友だちと来ると登れる、登れないで競争が生まれて楽しいと思います。経験者は、やっぱり強くなるには登る量と時間が必要なので、いろんなジムに行って登ってほしいですね。そしてレベルアップした楽しみ方をしてもらえるとどんどん強くなるし、なかなか理解しにくいクライミングの奥深いところまでを感じられると思うので、頑張ってほしいなと思います」
――レベルアップした楽しみ方とは?
「例えばオブザベーションの時にムーブを読むこと。ムーブを見つけた楽しさというものを僕は持っていて、最初は何もわからないと思うんですけど、登れなかったムーブを変えたり、登れたとしても違うムーブでいけるのかというところだったりですね」
――2025年はボルダーとリードのジャパンカップを初制覇しました。9月には世界選手権が控えています。目標や意気込みを教えてください。
「BJC(ボルダージャパンカップ)とLJC(リードジャパンカップ)のどちらも優勝できて、だいぶいい感じに進められています。4月のボルダーW杯初戦が始まるまでに思う存分トレーニングして、シーズン中も忙しいとは思うんですけど少ない日数でも細かにトレーニングを計画して、練習して、W杯で得た経験を世界選手権に持ち込んで両種目優勝を目指したいです。今はピーキングなども学んでいるので、世界選手権ではこれまで経験したことすべてを生かしたいです」
CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 窪田亮
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