
森秋彩「プレッシャーに打ち勝ててホッとしている」【リードジャパンカップ2025|決勝後の選手コメント】
2日に行われたリードジャパンカップ(以下LJC)の女子決勝は、森秋彩が唯一の完登をマークして大会6連覇の偉業を成し遂げた。以下、ファイナリスト8人の主なコメント一覧。
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森秋彩(優勝/成績 TOP)
「周りから『秋彩ちゃんが優勝するだろうな』って思われてるのかなとかいろいろ考えたりしてこの日を迎えるのが嫌になったこともあったけど、プレッシャーに打ち勝って全完登で優勝することができてすごくホッとしている。パリ五輪が終わってから観客の方が増えたし、応援も大きく聞こえたのですごく背中を押された。ボテが多かったり、クロスやポケットなどいつもはあまり出ないような動きが出たりして少しびっくりしたけど、設定ムーブを無視して自分なりの登り方で何とか完登まで持ち込めた。
例年はゴールがランジなどダイナミックなことが多く、ゴール取りで落ちる悔しい思いをしたことが何回もあった。今回こそは『セッターさんに負けずに止めたい』と思っていた。それを果たせたのは筋トレを始めたことなどで少しずつ自分のスタイルが変化してきている結果かなと思う。(今春で大学4年生となるが国際大会の出場予定は?)卒論だったりゼミだったり、教育実習もあるので練習自体ができなくなるかもしれないけど、(リードで出場が内定している)9月の世界選手権には出たいし、いつも通りW杯のヨーロッパ連戦にも出たい」
小武芽生(2位/成績 42+)
「時間がなくなりそうで、最後は“30秒ダッシュ”となってしまいうまく作戦立てて登れなかったけれど、できる限りのことはできたと思う。少し気持ち悪い下部のパートが何カ所か続いて、そこでは絶対に落ちたくなかった。ある程度の持久力があることに自信はあったので最後はノーレストで駆け抜けた。(2大会連続表彰台で安定した成績を残せているが?)単純にクライミングが強くうまくなっていると思う。一つひとつの強度をあまり高く感じず、不安なパートが少なくなった感じ。『やばい、落ちそうだ』っていうパートが結構多かったけど、最近はそういうのが少なくなってきている。今年の最大の目標は世界選手権で良い成績を残すこと。そこに向けてW杯にも取り組んでいきたい」
小田菜摘(3位/成績 33)
「タイムアップで少し悔しいけど、決勝という舞台で表彰台に乗れてうれしい。気持ち悪いようなムーブが多かったりして、慎重になりすぎちゃって時間がなかった。準決勝でヨレてるところから出し切れたのは収穫。下部で悪いムーブが出てきたら迷ってしまうのが課題。W杯で表彰台に乗って、全戦に出られるように頑張りたい」
葛生真白(4位/成績 32+)
「去年のLJCが終わってから来年こそは決勝に出たいという思いで練習をしてきたので、決勝進出が決まった時はすごくうれしかった。決勝のオブザベではそこまで悪そうなムーブはなかったのでどこまで前腕が耐えられるかが勝負だと感じた。最後は前腕が耐え切れずに落ちてしまったけど、迷わずテンポ良く登ることができた。そして何より楽しかった。私は他の選手に比べると持久力と登り方の上手さが圧倒的に足りず、ほぼボルダー力だけで登っている。表彰台に乗るためにはもっと持久力と上手さを身につける必要があることを痛感させられた。リードとボルダー、両方強い選手になることを目指して頑張ります!」
野中生萌(5位/成績 32+)
「ファイナルは準決勝に比べてだいぶテンポ感や登りも改善されたが、スリップで落ちたところは悔しい。あと数ムーブは絞り出せる感覚があったので、本当にもったいなかったのと同時にこれがリードクライミングだなとも思った。年内に関東でクライミングジムをオープンしようと思っている。そこに向けた準備の合間に練習をしていたのでBJC(ボルダージャパンカップ)もLJCも不安要素はすごい大きかったけど、去年まで積み上げてきたものがあったので自信を持てた」
谷井菜月(6位/成績 22+)
「粘り強い登りができず目標に届かなかった。悔しいけれど決勝では苦手なランジを止めることができてオフシーズンのトレーニングの成果を感じることもできた。今シーズンは世界選手権を一番の目標にしていて、今より何段階も強くなった登りを見てもらいたい。まずはW杯に向けて頑張りたい」
中川瑠(7位/成績 21+)
「3年ぶりに決勝に行けて純粋にホッとしている反面、ベストを尽くせず悔しい気持ちが強い。決勝は持久系ルートで上部勝負だと考えていたが、始めからハンドホールドが想定より悪く、動きが固くなってしまい、気持ちで負けてしまっていた。焦ったり動きで迷ってしまったりした後の立て直し方、集中力が課題だと感じた。次はどの大会に出場できるかわからないけど、まだ時間はあるので練習量をより多くして練習から自信を持って大会に臨めるように、次に向けて備えていきたい」
平野夏海(8位/成績 21+)
「目標としていた大会が終わり、ひとまず安心している。手首のケガの影響もあって調子がなかなか上がらずに不安を抱えた中での挑戦だったが、ファイナルに戻って来られたことと日本代表復帰はうれしかった。それでも、もう少し登りたかったという悔しい気持ちのほうが大きく、次に向けてさらに努力していきたいと思った。決勝は、見た目はポジティブで比較的登りやすそうに感じたが、実際に登ってみると距離が遠く、一手一手にリスクがある課題だった。強度の高い一手で落ちてしまったため、突破力をさらに鍛えていきたいと感じた。また、そもそもの持久力も足りていないので、もっと登り込んで持久力をつけていきたい。(今後の目標は?)競技面では、次の五輪出場を最大の目標として、それに向けてピークを上げていきたい。W杯での優勝も大きな目標の一つ。岩場では、14後半の課題を登るなど、成果を残したい。まずは現在取り組んでいるルートを登り切って次のステップに進みたい」
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CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 田中伸弥
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