準決勝で完登した安楽宙斗

安楽宙斗が圧巻の完登劇 首位で決勝へ【リードジャパンカップ2025】

 2日午前、スポーツクライミングのリードジャパンカップ(三重県伊賀市/DMG MORIアリーナ)男女準決勝が行われ、男子はパリ五輪銀メダリストの安楽宙斗が圧巻の完登劇で予選からの首位を維持し、決勝に進出した。

右が男子準決勝ルート

 男子準決勝はスタート直後からS字をなぞるように蛇行していくルートで、傾斜が切り替わったところに設けられた37手目のピンチホールドに樋口純裕、清水裕登、小俣史温が挑んだがとらえ切れず。序盤から消耗させる内容で後半に進めない展開が続いた。すると昨年3位の百合草碧皇が初めてピンチをつかむことに成功。40+まで記録を伸ばした。さらに直後に登った本間大晴が44+まで高度を更新した。

準決勝を2位で通過した本間

完登に迫る安楽

 そして最後に登る安楽が圧巻の登りを見せる。迷いなく上昇していくと、37手目も難なく突破。高度40台に入っても体勢を整えながら着実に高度を上げ、ゴール下の細かいホールドにも対応して完登にたどり着く。安楽は観客からの大歓声に手を挙げて応じた。決勝に進出したのは安楽、本間、鈴木音生、吉田智音、百合草、小俣、清水、樋口の8人。予選2位だった楢崎智亜は9位に終わり惜しくも敗退した。

完登後、安楽は観客の大声援に応えた

▼楢崎智亜コメント
「オブザベーション時の予想よりも持ち感がはっきりしたホールドが少なかった。その中で下半身の位置やポジションをうまく下部からつくれず、上半身が疲れてしまった。抜け面の所が決勝ポイントだと感じていたがそこに到達できなかった。トラバースが始まった時点で登りづらくて、フックや重心を落とすのがうまい選手が上位に入ったと思う。リードの日本代表に入ったとは思うが優先順的にW杯には出られないはずなので、しばらくは世界選手権でのボルダーを目標に取り組んでいきたい」

<準決勝リザルト>

1位:安楽 宙斗(JSOL)/TOP
2位:本間 大晴(小原歯車工業)/44+
3位:鈴木 音生(静岡県山岳・スポーツクライミング連盟)/40+
4位:吉田 智音(摂南大学)/40+
5位:百合草 碧皇(早稲田大学)/40+
6位:小俣 史温(日本体育大学)/36+
7位:清水 裕登(愛媛県山岳・スポーツクライミング連盟)/36+
8位:樋口 純裕(佐賀県山岳・スポーツクライミング連盟)/36+
――――――
9位:楢崎 智亜(無所属)/35+
10位:長森 晴(N高等学校)/35+
11位:今泉 結太(茨城県山岳連盟)/35+
12位:藤脇 祐二(大阪府山岳連盟)/35+
13位:田中 修太(新潟県山岳協会)/35+
14位:和田 樹怜(高知県山岳連盟)/34+
15位:上原 玄武(東京都山岳連盟)/33+
16位:石津 元崇(周南公立大学)/32
17位:藏敷 慎人(兵庫県山岳連盟)/32
18位:村下 善乙(法政大学)/31
19位:西尾 洸音(兵庫県山岳連盟)/31
20位:中上 太斗(佐賀県山岳・スポーツクライミング連盟)/31
21位:杉本 侑翼(近畿大学工業高等専門学校)/30+
22位:大高 伽弥(Base Camp)/30
23位:船木 陽(栃木県山岳・スポーツクライミング連盟)/29
24位:田中 慧樹(茨城県山岳連盟)/28+
25位:亀山 凌平(滋賀県山岳連盟)/28
26位:藤井 快(無所属)/27
27位:佐々木 玲偉(福島県山岳・スポーツクライミング連盟)/1+

※左から準決勝順位、氏名、所属先、成績(高度)
※同高度の場合は予選順位の高い選手が上位
※8位までが決勝に進出

「リードジャパンカップ2025」大会特設サイト
大会公式掲示板(競技順・成績速報などはこちらから)

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 田中伸弥

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