安楽宙斗

安楽宙斗「何が来ても動じなくなった」【リードジャパンカップ2025|予選後の選手コメント】

 1日に行われたリードジャパンカップ(DMG MORIアリーナ/三重県伊賀市)の男女予選は、安楽宙斗が男子1位、森秋彩が女子1位で準決勝に進出した。それぞれの予選競技終了後、パリ五輪代表の安楽、森、楢崎智亜、野中生萌、男子で大会2連覇中の小俣史温に話を聞いた。以下、各選手の主なコメント。

安楽宙斗が首位発進 唯一の完登を記録【リードジャパンカップ2025】


安楽宙斗(男子1位通過)
「10月からリードの登り方だったり、登っている時のメンタルだったりと細かい部分を見直して練習してきた。やばいと感じると焦ったり、足を切って体力を使ってしまい落ちたりすることが多かったので、焦らないことと、身体面の強化をしてきた。完璧ではないがほぼうまくいったと思う。僕はレストしたもん勝ちだと思っていて、速く登ったほうが強いのではなくてちゃんと休んだほうが高度は伸びると思っている。レストポイントをより意識してオブザベーションするようにもなった。

 トレーニングのおかげで、何が来てもそこまで動じなくなった。嫌なムーブに対しても丁寧にこなして、気持ちのいいところでしっかりレストをすることができていた。自信があるというか、試したいというか。自分が改善してきたことが(以前と比べて)どれぐらい差が出るのかがすごく楽しみ」


楢崎智亜(男子2位通過)
「最近のリードはミスして落ちてしまい出し切って終わることがほとんどなかったので、そこの緊張感は1本目からあったがリザルトとしてはよかった。(会場を所有する)DMG森精機さんからのサポートで、この場所にはトレーニングで何度も来ているのでテンポ感をつかめている。そこは有利だったと思う。

 僕は強傾斜を楽に感じる分、テンポよく行ってしまって、そのテンポのまま進んで足を滑らせたり手を早く出したりすることがあった。ここで練習する中で、(後半の)傾斜が(緩めに)変わるところから少し重心を落として足を決めて動くような意識に変えている。それはどのリード壁でも生きてくると思う。明日も頑張りたい」


小俣史温(男子13位通過)
「課題が悪くて、対応し切れない部分もあってあまり高度が出なかった。2本目も1本目の高度の悪さを引きずってしまったのか振るわなかった。(冬に強化してきたことは?)ボルダリングを重点的に練習してパワーアップする計画だったが手首をケガしてしまい、今は持久力に寄った感じになっている。(3連覇が懸かる中でチャレンジャーとして挑みたいと話していたが?)自分が一番ではないし、みんなと同じように1位を取るためにという立ち回りをしないといけない。攻めたクライミングをしていきたい」

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森秋彩(女子1位通過)
「例年のジャパンカップより壁の幅が広くてスケールが大きいのでどんな感じの課題が出るか少し不安だった。ランジのゴール取りは(直近にあった)ボルダージャパンカップのためにボルダーにも取り組んでいたので、それが生かせたと思う。1本目も設定はランジでのゴール取りだったと思うけど、得意のムーブに変えて完登できた。

 (中盤が強傾斜で、終盤はそこから緩くなる壁。海外でのW杯に似た傾向がある?)W杯でもここまで上部の足が薄かったり、滑りやすくされたりしていることはあまりない。ボルダーのスラブで求められるようなムーブが上部で出てきたので、それは初めての体験でびっくりした」


野中生萌(女子7位タイ通過)
「腕がパンパンで疲れました(笑)。1本目(Aルート)は傾斜の中が長くて、2本目(Bルート)は上部のほうが緩傾斜が長いルートだった。タイプも違って、1本目はみんなサクサク登っていそうに見えるけど、逆に悪くて止まるポイントがなかった。2本目は手堅く細かいホールドを握って持久力を試していくような内容だった。

 (会場の印象は?)壁に高さがある。上部が垂壁(に近い)で長くて、傾向的に国際大会ができるレベルの壁かなと思う。ウォーミングアップエリアも充実していて、選手にとってはすごくありがたい。また明日、今日のパンプをいい刺激に変えられるようにして頑張りたい」

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 中本岳人

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