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カテゴリーをまたいで大会4連覇を遂げた田渕幹規
新カテゴリーで4人の“初代王者”が誕生 田渕幹規は4連覇達成【スピードユース日本選手権2025】
スポーツクライミングの第5回スピードユース日本選手権多久大会が15日、佐賀県多久市の九州クライミングベースSAGAで行われ、新設されたU17(2009、10年生まれ)とU19(2007、08年生まれ)で男女4人の“初代王者”が誕生した。
今年からユースのカテゴリー編成が変更され、今大会は新カテゴリーで行われる初のユース日本選手権として開催された。これまではU-20(ジュニア)、U-18(ユースA)、U-16(ユースB)の3つのカテゴリーだった。
女子のU17は予選で唯一8秒台をマークした西村優杏が決勝トーナメントも安定したパフォーマンスで勝ち上がり、優勝を決めるレースでは再び8秒台の8秒88を計測して望月咲希との接戦を制した。
女子のU17で優勝した西村優杏(手前)
女子のU19は小屋松恋がカテゴリーをまたいでの大会3連覇を達成した。小屋松は予選を8秒16でトップ通過すると、順当に勝ち進んだビッグファイナルでカテゴリー最速となる7秒86を叩き出した。7秒99を切ったことでシニアの日本代表選考基準タイムもクリアした。
女子のU19で優勝した小屋松恋(手前)
男子のU17は齋藤蒼太がユース日本選手権初出場初優勝を飾った。齋藤は予選でただ一人6秒を切る5秒96を計測すると、最終レースでは自己新の5秒85にタイムを縮めて昨年のユースB王者・柏龍弥に勝利した。
男子のU17で優勝した齋藤蒼太(手前)
男子のU19はこれまでユースBを1度、ユースAを2度制していた田渕幹規が4連覇の偉業を成し遂げた。田渕は予選で5秒36をマークして日本代表選考基準タイムをクリアすると、ビッグファイナルでは5秒28をマークして他を寄せ付けず、貫録の優勝を果たした。
男子のU19で優勝した田渕幹規
頂点に立ったのはすべて予選を首位通過した選手たちで、新カテゴリーにおける最速タイムを残したことで各カテゴリーの日本新記録も樹立する形となった。
<リザルト>
U-19男子(2007、08年生まれ)
1位:田渕 幹規(上宮高等学校)/5秒28
2位:大石 覇(千葉県山岳・スポーツクライミング協会)/5秒72
3位:大西 月華(神奈川県山岳連盟)/WC
優勝:田渕幹規コメント
「4連覇できてよかった。(今年の目標は)ユース世界選手権で1位を取ること。明日(のスピードジャパンカップで)も1位を取ります!」
U-19女子(2007、08年生まれ)
1位:小屋松 恋(横浜隼人高等学校)/7秒86
2位:麦島 心花(中部大学春日丘高等学校)/8秒33
3位:足立 莉帆(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)/10秒50
優勝:小屋松恋コメント
「この大会を3連覇することができたのですごくうれしい。日本代表の(選考基準)記録も切ることができた。夏のW杯に向けてたくさん練習して、9月の世界選手権を目標に頑張っていきたい。応援ありがとうございました」
U-17男子(2009、10年生まれ)
1位:齋藤 蒼太(千葉県山岳・スポーツクライミング協会 )/5秒85
2位:柏 龍弥(三重県立久居農林高等学校)/6秒49
3位:石田 観千(福岡県山岳・スポーツクライミング連盟 )/6秒42
優勝:齋藤蒼太コメント
「このユース日本選手権は初めての出場で不安はあったけど無事に1位を取れてうれしかった。今年はユース世界選手権で1位を取ることが目標」
U-17女子(2009、10年生まれ)
1位:西村 優杏(千葉県山岳・スポーツクライミング協会 )/8秒88
2位:望月 咲希(千葉県山岳・スポーツクライミング協会 )/9秒10
3位:岡部 朱里(千葉県山岳・スポーツクライミング協会 )/10秒27
優勝:西村優杏コメント
「この大会に向けて練習を頑張ってきて、優勝できることができて本当にうれしい。(今年の目標は)今年の大会でU17の日本記録を出したい」
※左から順位、氏名、所属先、成績
※成績は、1・2位はビッグファイナル(優勝決定戦)、3位はスモールファイナル(3位決定戦)での記録
「第5回スピードユース日本選手権多久大会」大会特設サイト
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CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 小野正文 / 株式会社C.P.I.
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