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野中生萌「常に引っ張っていける存在でありたい」【ボルダージャパンカップ2025|決勝後の選手コメント】
2日に行われたボルダージャパンカップ(以下BJC)女子決勝は、6人から8人へと人数が増え、2人が同時に登るローテーション制の導入、さらに全ラウンドでポイントによる順位付けがされる新ルールが適用された中で、3課題を完登した野中生萌が0.2点差で6年ぶり2度目の頂点に立った。以下、ファイナリスト8人の主なコメント一覧。
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野中生萌(優勝)
「(女子最年長として)常に引っ張っていける存在でありたいと思っていたので、(すでに日本代表には内定しているが)BJCで優勝する形で代表に入れるのはうれしい。(バランス系の第2課題を一撃したが?)総合力が年々試されている印象がある。私にとって埋めるべき弱点はスラブ、緩傾斜。バランスとは体の反射だと思う。落ちそうな時にどう対応するかが重要。私はフィジカルでいつも押さえていたので力んでしまうことが多かった。ジムに行ったらたくさんの量のスラブ課題を積極的に登るようにしたり、地面のトレーニングでもウォーターバックを持って揺らされる環境で板から落ちないようにしたりしていた」
関川愛音(2位)
「W杯に出られることは決まったのでそこはうれしいけど、優勝を目指していたので悔しい気持ちのほうが大きい。(唯一完登を逃した第2課題は)足を踏みかえるムーブに気づくのに時間がかかってしまった。最後までつらかったけど、ゾーンの10点は死ぬ気で取ろうと思って頑張れた。4課題目も(ゴール取りが)ポッケで確率的なものもあったけど、そこでネガティブにならずどんどん攻めていこうという気持ちがあった。自分の実力を出して負けるのと、気持ちで負けるのは違う。気持ちで負けるのはもったいないとコーチと話していた。強い気持ちで登ることはずっと意識していた」
中村真緒(3位)
「3課題目まで一撃できていたので、結果論として最後は一撃じゃなくても登れば優勝できたと思うとやっぱり悔しい。自分にプレッシャーをかけ過ぎたというか、パーフェクトゲームをしたいという欲が出てしまった部分はある。(決勝がローテーション制に変わったが?)登って裏に戻ったら、もう自分が呼ばれるような状況で、休む時間が減ってしまった。準決勝が終わった後の決勝だとしんどいところはあった。ダイナミックな動きが課題なので、そこをクリアにして4月からのW杯に臨みたい。2年前のBJCでは予選落ちしていて、自分のことを率直に強いと思えない部分があった。その自信のなさが決勝のダイナミックな動きにも繋がってしまっていると思う。自分はもっとできる選手なんだと自分に言い聞かせて頑張りたい」
伊藤ふたば(4位)
「4課題目を登れていたら優勝だったので決め切きれなかったのは悔しいけど、登り自体は予選から良かった。手応えとしては悪くない。(4課題目は)最初からムーブがあまり読めないというか、どれが正規のムーブなのかわかっていなかった。これだと決めてからも、すごい出力が必要で難しかった。(決勝はローテーション制で出番までの間隔が短くなったが?)みんなが完登していく流れだったので、回転は速く感じた。トレーニングしていたので体力的につらいことはなく、パリ五輪のフォーマットと同じで経験していたので慣れもあった。(今年の目標は)まずはW杯の前半戦でしっかり成績を残して、世界選手権に繋げたい」
葛生真白(5位)
「緊張感はあったけど、それよりも楽しかった。初めての決勝だったので、とりあえず楽しもうという気持ちだった。スラブや動き系が得意ではないので、次の大会までにいっぱい練習して改善していきたい」
村越佳歩(6位)
「まさか決勝に残れるとは思っていなかったのでとてもうれしい。1完登でもできたらうれしいと思っていたので、2完登できたのは自信になった。観客の皆さんがたくさんいて、気分も上がって楽しかった。決勝で登れなかった2課題は根本的な強さが足りていないと感じたので、これからは動き系だけでなく保持系も頑張っていきたい。(今年の目標は)W杯に出られたら出たいのと、世界ユースに出て優勝したい」
森秋彩(7位)
「7位という順位は実力的に妥当な立ち位置。すごく悔しいけど現実を突きつけられることは大事だと思うし、たまたま良い順位をとって満足しちゃうよりは悔しい思いをバネにして頑張れたらいいなと思うので、今回は満足している。今までみたいに走ったり、単純に上に跳んだりする動きとはまた少し違うような課題が出てきて、想定していなかったというか、みんなそうだったと思うけど、その中でも他の選手は自分なりの攻略ができていた。私はムーブのわからなさに動揺したり、最後に決め切れなかったりした部分があった。(パリ五輪後の強化ポイントは?)脚力とスピード感。予選からダイナミックな動きやパワフルな動きには以前より対応できたけど、決勝の強度となるとまだまだだった。(IF枠がなくなり国内の代表権争いが激しくなったが?)それを思い詰めると緊張しちゃうのであまり考えずに、選ばれたら行けるし選ばれなくてもそれは勉強に集中しろということだと思って、どっちにしろ受け入れようと思っていた。もしかしたらW杯は何戦かに出られるかもしれない。大学との兼ね合いを見ながら、昨シーズンと同じように両立を頑張りたい」
松藤藍夢(8位)
「準決勝までは調子が良くて順調だったけど、決勝は課題のタイプが違って合わせられなかった。準決勝は一手一手ちゃんと強度があるような、W杯に近いような課題。決勝は一手一手の強度はあまりなくて、合わせて登るような課題だった。調子は悪くないし、準決勝でもいい登りはできた。W杯の課題のほうが自分は得意だと思っているので、W杯では活躍したい」
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CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 窪田亮
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