18歳の安楽宙斗が男子最年少V【ボルダージャパンカップ2025】
ボルダージャパンカップ(以下BJC)の男子決勝が2日午後、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場(東京都世田谷区)で行われ、パリ五輪銀メダリストで18歳の安楽宙斗が初優勝を男子史上最年少で飾った。
決勝に駒を進めたのは午前の準決勝を通過した安楽、山口賢人、杉本侑翼、佐野大輝、楢崎智亜、藤脇祐二、杉本怜、土肥圭太の8人。18歳の杉本侑翼は初の決勝を、33歳の杉本怜は最後のBJCファイナルを戦う。準決勝7、8位だった杉本怜、土肥は決勝人数が6人から8人へと増える新ルールの恩恵を受ける格好となった。
決勝は最後のBJCとして出場している杉本怜が序盤から観る者を熱くさせる。2番手だった杉本は第1課題、最初のアテンプトで完登間近に迫ると、直後にムーブを修正して24.9点を獲得。気迫のこもった登りに会場は大歓声を浴びせた。その後、トップホールドが取れそうで取れない絶妙なルートセットを攻略したのは杉本侑翼と安楽の2人。安楽はゴール下のムーブに時間をかけず、素早く処理して一撃した。
第2課題は右方向へと大きく飛び移るムーブの成功率が低く、成功したとしてもその後のゾーンホールドに体重をうまく預けられない。完登者はゼロで、この課題での最高ポイントは楢崎の9.8点にとどまった。第3課題ではダイナミックなコーディネーション系ムーブが多く見られ、杉本怜は順調に完登までの道筋を進むと時間をかけてトップホールドを捉える。楢崎、山口、安楽もフラッシュ。安楽はおよそ30秒での完登劇だった。
最終課題、杉本怜は10点を加えて合計59.9点に達し、暫定首位で競技を終えた。その直後、藤脇がボリュームの間から小さいホールドを掴んで楽に完登。69.1点で首位に立つ。8番手の安楽は、藤脇しか完登できていなかった難関をいとも簡単に登り切ってしまう。獲得ポイントを84点に伸ばして優勝を決め、その喜びを噛みしめるようにトップホールドを保持しながらその場にとどまった。
3完登はいずれも一撃と高い実力を示した安楽は18歳2カ月での戴冠。山内誠が持っていたBJCの男子最年少優勝記録(19歳3カ月)を更新した。2位には藤脇祐二、3位には杉本怜が入り、杉本は最後のBJCで表彰台に上がった。
<決勝リザルト>
1位:安楽 宙斗(JSOL)/84pt
2位:藤脇 祐二(大阪府山岳連盟)/69.1pt
3位:杉本 怜(北海道山岳・スポーツクライミング連盟)/59.9pt
4位:杉本 侑翼(近畿大学工業高等専門学校)/59.4pt
5位:楢崎 智亜(無所属)/54.8pt
6位:山口 賢人(大阪府山岳連盟)/54.4pt
7位:佐野 大輝(Dボル・大器グループ)/38.8pt
8位:土肥 圭太(鹿児島県山岳・スポーツクライミング連盟)/19.8pt
「ボルダージャパンカップ2025」大会特設サイト
大会公式掲示板(競技順・成績速報などはこちらから)
CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 窪田亮