表彰台に上がった(左から)関川愛音、野中生萌、中村真緒

野中生萌が6年ぶり2度目の優勝【ボルダージャパンカップ2025】

 2日午後、ボルダージャパンカップ(東京・駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場)の女子決勝が行われ、3完登4ゾーンで84.8点を獲得した野中生萌が6年ぶり2度目の頂点に輝いた。

 今大会から新ルールが導入され、ファイナリストの人数は従来の6人から8人に増加。午前の準決勝で8位以内に入った松藤藍夢、伊藤ふたば、森秋彩、野中、中村真緒、関川愛音、村越佳歩、葛生真白が決勝に進出した。村越と葛生は初めてボルダージャパンカップの最終ラウンドに駒を進めた。

第2課題を登る野中

 第1課題はダブルダイノや距離の遠いゴール取りを7人が攻略。そのうち5人が最初のアテンプトで仕留めた。主に繊細な動きが求められた第2課題は4人が完登。中でもバランス系の動きを苦手とする野中は体を観客側に向けるなどして進み、会心の一撃でガッツポーズを繰り出した。一度も落下せずに登り切ったのは野中と中村のみで、25点を加算した2人は50点で並んだ。

野中は第2課題を一撃した

第3課題を登る中村。この課題もノーミスで登り切った

 第3課題では中村が3つ目の一撃。野中が一度落下してから完登したため、0.1点の差が生まれた。最終第4課題は選手によって中盤までの攻略方法が異なるも、終了点のポケットに指が入るかどうかが大きな核心となった。これを1番手の葛生から村越、関川と立て続けに完登。その後も完登が続くかと思われた。

第4課題を完登し、2位に入った関川

 しかし、4番手の中村は優勝が決まる最初のアテンプトでの完登を逃すと、残り10秒を切って最後のムーブを起こすところまでたどり着いたが失敗。悔しさから天を仰いだ。続いて野中にも優勝のチャンス。だが、ポケット目掛けて3度ムーブを起こしたものの命中には至らなかった。

 ゾーン到達のポイントを加えて野中が暫定首位に立ったあと、森、伊藤にも優勝を決めるチャンスが生まれたが、ともにゾーンなしで0点に終わってしまう。8番手の松藤は完登しても1位に届かないポイント数だったため、2019年大会以来となる野中の優勝が確実となった。

優勝が決まり、伊藤とハイタッチする野中

 表彰台の3人は僅差で決まり、2位には野中と0.2点差で関川が、3位には関川と0.1点差で中村が入った。関川は自己最高位、中村は前回優勝に続くメダル獲得。4位は伊藤、5位と6位は初決勝組の葛生と村越、7位は森。予選と準決勝で1位だった松藤は第2課題以降で失速してしまい8位だった。

<決勝リザルト>

1位:野中 生萌(無所属)/84.8pt
2位:関川 愛音(八戸学院光星高等学校)/84.6pt
3位:中村 真緒(日新火災)/84.5pt
4位:伊藤 ふたば(デンソー岩手)/74.8pt
5位:葛生 真白(栃木県山岳・スポーツクライミング連盟)/69.1pt
6位:村越 佳歩(茨城県山岳連盟)/69pt
7位:森 秋彩(茨城県山岳連盟)/59.8pt
8位:松藤 藍夢(日本大学)/54.8pt

※左から順位、氏名、所属先、獲得ポイント
※ポイントはゾーン到達で10点、完登で25点。各課題のポイント獲得までにフォールした回数×0.1点が減点

「ボルダージャパンカップ2025」大会特設サイト
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CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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