安楽宙斗「落ち着くことを常に考えたい」【ボルダージャパンカップ2025|予選後の選手コメント】
1日に行われたボルダージャパンカップ(以下BJC)の男子予選終了後、選手たちが囲み取材に応じた。以下、全完登した安楽宙斗、昨年は予選落ちしていた藤井快、予選通過も14位にとどまった楢崎智亜、今大会が最後のBJCとなる杉本怜、敗退を喫した緒方良行、楢崎明智のコメント一覧。
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安楽宙斗(予選2位)
「1課題ずつ少ないトライで決め切れたが、落ち着かないといけないスラブで焦ってしまった。大会特有の緊張感が大きかった。2~3回落ちると焦ってしまうところがあり、そこが唯一の気がかり。準決勝以降は壁を広く使えるので動きも大きくなってくる。その大きな動きの課題が苦手で、シーズンオフに心身ともにトレーニングしてきたつもり。それがどう出るかが楽しみ。『落ち着く』ことを常に考えて頑張りたい」
藤井快(予選9位)
「昨年久しぶりに予選落ちをしてしんどい思いをしたので、通過できてホッとしている。代表に戻りたいからというよりも、この大会に勝ちたい思い。(同世代の杉本怜が今大会を最後に競技の第一線から引退するが?)できるならもう一度、一緒にW杯に出られたらなと思う。寂しいところはあるけれど、競技だけじゃないところがクライミングの良さでもある。クライミングを続けている限りは一緒にやっていく仲間。(昔と比べて体の違いを感じる部分はある?)肉体的にはそれほど感じない。以前はできて、今はできないということはそんなに多くないと思う。昔のほうが挑む気持ちというか、姿勢が違った。世界選手権でも勝ったし、今はいろいろと経験して精神的な部分が変わった。今回は純粋にただただ登るみたいな感じで挑むことができた。久しぶりに登っていてよかったと感じた」
楢崎智亜(予選14位)
「身体の感覚はかなりよかったが、ムーブにハマってしまったり、トライの質の悪さだったりで思ったよりも順位が上がらなかった。(パリ五輪後は)肩や胸や骨盤などの使い方を見直して、基本的な動作をよりうまくできるように、登り方も体の形を意識していた。骨盤が立っているか丸まっているかで登りやすさも違う。そこのアジャストがうまくできてきている。明日は優勝を目指して頑張りたい」
杉本怜(予選16位)
「2、3課題目を登れずにきわどい戦いになってしまった。3完登すればまだチャンスはあるというマインドで、4、5課題目は絶対に登るぞという気持ちに切り替えられた。(これが最後のBJCだと決断をしたのは?)もっと早くに引退のことを考えていたけれど、コロナがあったり、家族が新しくできて心境の変化もあったりして、もう少し頑張ろうという気持ちで続けてきた。応援してくださる方々がいて、幸いにも自分のやりたいことをここまで続けることができた。今ここで戦えることに本当に感謝したい。今後はイベントなどでクライミングと関わり、クライミング界を盛り上げていきたい。まずはコンペをやり切ってから勉強をして次のステップに進みたい。準決勝、そして決勝のラスト8課題、自分にプレッシャーをかけて、最高の形で終えたい」
緒方良行(予選26位)
「ゴール落ちもあり、2課題くらい取りこぼしてしまった。結果も内容も全然よくなかった。去年優勝したことに対する気負いはなかったが、ジャパンカップは昔から得意ではなく、苦手な部分を克服できないままで、それが結果に出たのかなと思う」
楢崎明智(予選33位)
「久々に予選落ちしてしまって残念。課題に対応できず、オフシーズンに取り組んでいたことを出せるところまで登れなかった。1課題目を完登できなかったことが大きかった。流れがよくなかった。去年の成績により、ありがたいことにW杯の前半3戦はおそらく出られると思う。W杯ではこうならないように頑張りたい。去年も2位までしか取れていないので、今年はW杯で優勝したい」
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CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 窪田亮