インタビュー:林有沙【住友商事 presents Enriching+賞】

 JMSCA(日本山岳・スポーツクライミング協会)はこのたび、今後のスポーツクライミングを牽引していく次世代のユース選手の支援を強化していきたいという、ゴールドスポンサーの住友商事株式会社(以下住友商事)からの申し出を受け、「住友商事 presents Enriching+賞」を新設した。住友商事の創立100周年に合わせて策定した同社グループのコーポレートメッセージ「Enriching lives and the world」に込めた想いを受け継ぎ、ステークホルダーと共に未来に向かって新たな価値を“+(プラス)”できるようなコンテンツを発信する公式オウンドメディアの名称「Enriching+」が同賞の冠となった。

 今回は8月に行われたIFSCクライミングユース世界選手権で優勝した6人が受賞した。副賞として日本代表オフィシャルサプライヤーの「THE NORTH FACE」のアイテムも贈られる。CLIMBERSでは各選手に同大会でのエピソードを中心に話を聞いた。本記事では女子リードUnder16で優勝した林有沙選手のインタビューを掲載する。

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――リードでの優勝、おめでとうございます。今の気持ちを教えてください。
「ありがとうございます。大会前はすごく緊張して不安もあったんですけど、優勝できてとてもうれしいですし、練習してきてよかったなと感じています」

――国際大会は初めての出場でした。力は出し切れましたか?
「はい。予選、準決勝、決勝とすべて出し切れたので楽しかったです」

――決勝は完登者が多いラウンドでした。最後の競技順だった林選手はそれまでの選手が完登したという状況はわかっていましたか?
「『ワーッ』という歓声が聞こえていたので、絶対に完登しないと表彰台に上がれないということはわかっていました。予選や準決勝よりも緊張しました」

――それでも自分の力はうまく出せたんですね。
「はい。登る前はめっちゃ緊張したんですけど、登り始めると楽しくて、緊張もほぐれて、自分らしい登りができたと思います」

――西谷善子ヘッドコーチから「リードが大好きな選手」だと聞いています。
「大好きです(笑)。リードはボルダーと違って高さがあって、ムーブも頭を使って戦略を立てることが多いじゃないですか。そうやって考えることが好きだし、一番上まで登っていくことも面白いです」

――とてもポジティブな性格だとも伺いました。大会での気持ちの切り替えもうまくできていますか?
「ミスをしたら少し落ち込むことはあるんですけど、次の課題に向けて切り替えることはできていると思います」

――自分の強みはどこにあると思いますか?
「一番の強みは持久力ですね」

――ユース世界選手権でも上部で疲れは感じなかったですか?
「疲れてはいましたけど、そこから力を振り絞って出し切ることはできたと思います」

――ユース世界選手権の直前にはパリオリンピックが開催されました。テレビなどで観戦しましたか?
「はい。森秋彩選手が好きで、森選手の登りに感動して元気をもらえました。いつか同じ大会に出てみたいです」

――森選手と会ったことは? 聞いてみたいことはありますか?
「まったくないです。『無限の持久力はどうやってつけているんですか?』ですかね(笑)」

――JMSCAが主催、住友商事が協賛するEnriching+賞は、ユース選手を応援する新しい賞です。住友商事グループのコーポレートメッセージ「Enriching lives and the world」には未来に向かって「世界を、社会を、そして人々の暮らしを、より豊かにしていく」という意味が込められています。林選手が思い描いている未来はありますか?
「将来の夢はオリンピックで連覇すること、あとはルートセッターになってみたいです。課題をつくることにも興味があります」

――直近の目標についても教えてください。
「11月のユースアジア選手権で優勝したいですし、来年の国民スポーツ大会でも活躍できたらなと思っています」


林有沙(はやし・ありさ)
2010年6月2日生まれ。石川県山岳・スポーツクライミング協会所属。リードを得意とし、24年5月のユース日本選手権で初優勝。同年8月のユース世界選手権Under16決勝は完登で初出場初優勝を決めた。

住友商事公式オウンドメディア「Enriching+」
https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/enrich

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インタビュー・文 編集部 / 写真 © Richard Aspland/IFSC

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