男子の年間表彰台に上がった(左から)楢崎明智、安楽宙斗、楢崎智亜

安楽が年間2連覇 楢崎明2位、楢崎智3位で日本男子が表彰台独占【ボルダーW杯2024|男子年間ランキング】

 2024年のクライミングW杯シリーズは2、3日のソウル大会をもってボルダーの全5戦が終了し、年間ランキングが確定した。男子は17歳の安楽宙斗が2連覇を達成。2位は25歳の楢崎明智、3位は28歳の楢崎智亜で、日本勢が年間表彰台を独占した。日本男子の年間1位は2019年の楢崎智亜、21、22年の緒方良行、23年の安楽に続き5年連続となった(20年はコロナ禍で中止)。

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 各戦の優勝者は、第1戦が楢崎智亜、第2戦が安楽、第3戦が天笠颯太、第4戦と第5戦がイ・ドヒョン(韓国)。日韓の4人が頂点に立った。パリ五輪銀メダリストの安楽は後半の第4戦、第5戦で順位を落としたが、第3戦までで1、2、3位を1度ずつ経験したことで最多の3365ポイントを獲得した。

第2戦で優勝した安楽。2年連続で年間優勝に輝いた(写真:© Slobodan Miskovic/IFSC)

 楢崎明智は2860ポイントで2位に入り、昨年の年間9位を上回って自身初のW杯年間表彰台に上がった。5戦中4戦で決勝に進出、第2戦と第3戦は2位で終えた。明智の兄・智亜は2690ポイントで3位。年間2位タイだったパリ五輪金メダリストのトビー・ロバーツ(英国)を第5戦の結果で抜き、年間表彰台は3年連続7度目となった。様々な課題へ対応できる安定感が光り、2016年から数えて年間表彰台を逃したのは1度だけだ。

楢崎明智は5戦中4戦で決勝に進出、銀メダルは2度と成績が安定。自己最高の年間2位に入った(写真:© Lena Drapella/IFSC)

楢崎智亜は第1戦で優勝。年間表彰台に上がったのは3年連続7度目と驚異的な安定感を誇っている

 また、4位には24歳の天笠がランクイン。トップ4を日本勢が占めた。天笠は第3戦で初優勝し、第5戦では銅メダルを獲得。3年ぶりのW杯参戦で自己最高の年間順位をマークするなど躍進した。トップ10には8位に通谷律も入った。W杯参戦2年目の18歳が着実にステップを踏んだ。

躍進のシーズンとなった天笠(写真:© Lena Drapella/IFSC)

日本人選手コメント(JMSCA提供/原文ママ)
●安楽 宙斗(JSOL)
「年間優勝できて、ひとまずはとても嬉しいです。てすが、今年は1位を1回しか取れなかったのと、最終戦の今大会では準決勝敗退となってしまい、納得はいっていません。オフシーズンでは色々考えて、有意義なものにしていこうと思います」

●楢崎 明智(日新火災)
「やっとここまで来たかと素直に嬉しい気持ちです。まずは今シーズンの大会は全てやり切れてほっとしています。今シーズンの目標は全戦決勝進出だったのですが、5戦中4戦は決勝進出でき成長を感じました。まだ優勝したことがないというのも事実なので次の目標を達成できるようこれからも精進します」

●楢崎 智亜(無所属)
「今シーズンは優勝から始まりましたがその後中々上手く行かない試合が続いたので最終的に年間表彰台に立ててホッとしてます。来シーズンに向けて課題とどう向き合って行くか考えて行きたいと思います」

<W杯年間ランキング>

1位:安楽 宙斗(JPN)/3365
2位:楢崎 明智(JPN)/2860
3位:楢崎 智亜(JPN)/2690
4位:天笠 颯太(JPN)/2416
5位:トビー・ロバーツ(GBR)/2365
6位:イ・ドヒョン(KOR)/2280
7位:マキシミリアン・ミルン(GBR)/1571.66
8位:通谷 律(JPN)/1375
9位:チョン・ジョンウォン(KOR)/1331.5
10位:マニュエル・コルニュ(FRA)/1323.5
――――――
12位:藤脇 祐二(JPN)/1215
23位:吉田 智音(JPN)/652
26位:緒方 良行(JPN)/564.82
37位:山田 航大(JPN)/350.16
60位:坂本 大河(JPN)/112.5

※左から順位、氏名、所属国、ポイント
※日本人選手は11位以下も掲載

CREDITS

編集部 / 写真 © Kazushige Nakajima/IFSC

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