男子のメダリストたち。天笠(右)が3位に入った

ボルダー最終戦で天笠が男子銅メダル獲得 女子は野中の5位が日本勢最高【ボルダーW杯2024 最終第5戦ソウル大会】

 クライミングW杯ボルダー最終第5戦(韓国・ソウル)の男女決勝が3日に行われ、男子は韓国のイ・ドヒョン、女子は米国のアニー・サンダースが優勝した。日本勢最高は男子が天笠颯太の3位、女子が野中生萌の5位だった。

 男子決勝は全体的にじわじわと登るスタティックなムーブが多く、スリップ落ちする展開が頻繁に見られた。完登したのはイとマキシミリアン・ミルン(英国)だけで、ともに2完登をマーク。完登に要した総アテンプト数も同じで、ゾーン獲得に要した総アテンプト数の差で決着した。その差はわずかに「1」。イは母国の声援に応え、先月の第4戦に続く優勝を遂げた。日本勢は準決勝2位だった天笠が完登こそなかったものの各課題でゾーンに達したことで3位に。同1位だった楢崎明智は第1課題で左ひじを痛めた様子で、3ゾーンで6位だった。

 女子は17歳のサンダースが初優勝を飾った。第2課題を攻略できず出遅れたが、緩傾斜の第3課題は卓越したバランス感覚で頂点まで登り切り、優勝の可能性を手繰り寄せると、難関の第4課題は一撃。左腕で抱え込んでから右手をうまくカチに回す巧みな現場処理を見せ、最後は手足をスムーズに動かしてトップホールドを手中に収めた。今年のW杯でボルダー、リードともにメダルを獲得していた米国の逸材が大きなインパクトを残した。2位はゼリア・アベズー(フランス)、3位はエリン・マクニース(英国)の20歳2人で、今年躍進した若手3人が表彰台に上がった。日本勢で唯一決勝に進んだ野中は2連続完登するも第3、第4課題は失敗し、5位に終わった。

 W杯のボルダーは今シーズンの全戦が終了。男子の年間順位では安楽宙斗が1位、楢崎明智が2位、楢崎智亜が3位で年間表彰台を日本勢が独占した。安楽は2年連続でボルダーの年間1位に輝いた。女子はナタリア・グロスマン(米国)がボルダーで史上初の年間4連覇を達成。2位にはオセアニア・マッケンジー(豪州)、そして3位には中村真緒が入り、いずれも初の年間表彰台に上がっている。

<決勝リザルト>

[男子]
1位:イ・ドヒョン(KOR)/2T4z 4 4
2位:マキシミリアン・ミルン(GBR)/2T4z 4 5
3位:天笠 颯太(JPN)/0T4z 0 7
4位:ダヤン・アクター(GBR)/0T3z 0 4
5位:チョン・ジョンウォン(KOR)/0T3z 0 5
6位:楢崎 明智(JPN)/0T3z 0 7
――――――
9位:通谷 律(JPN)※準決勝進出
10位:楢崎 智亜(JPN)※準決勝進出
14位:安楽 宙斗(JPN)※準決勝進出
19位:藤脇 祐二(JPN)※準決勝進出
23位:緒方 良行(JPN)
29位:山田 航大(JPN)
35位:吉田 智音(JPN)

[女子]
1位:アニー・サンダース(USA)/3T4z 7 13
2位:ゼリア・アベズー(FRA)/3T4z 9 7
3位:エリン・マクニース(GBR)/2T4z 4 5
4位:ナタリア・グロスマン(USA)/2T4z 5 5
5位:野中 生萌(JPN)/2T4z 9 8
6位:アガト・キャリエット(FRA)/0T3z 0 10
―――――
8位:森 秋彩(JPN)※準決勝進出
9位:伊藤 ふたば(JPN)※準決勝進出
10位:中村 真緒(JPN)※準決勝進出
11位:松藤 藍夢(JPN)※準決勝進出
12位:関川 愛音(JPN)※準決勝進出
27位:石井 未来(JPN)

※左から順位、氏名、所属国、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

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編集部 / 写真 © Kazushige Nakajima/IFSC

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