パリ五輪で大きな注目を集めた森秋彩。五輪後では初の大会エントリーとなった

2024年のクライミングW杯シリーズ最終戦は初の3種目開催 日本勢は五輪代表そろい踏み

 クライミングW杯のボルダー第5戦、スピード第5戦、リード第6戦が韓国・ソウルで2日から6日にかけて行われる。いずれの種目も今シーズンの最終戦を迎える。

 主催するIFSC(国際スポーツクライミング連盟)によれば、各種目の最終戦が1つの大会で開催されるのはW杯史上初めて。5日間の大会には5大陸42カ国から男女あわせて250人以上がエントリーしたといい、サウジアラビアは初めてW杯に選手を派遣する。日本勢は今夏のパリ五輪を戦った安楽宙斗、楢崎智亜、森秋彩、野中生萌の4人が出場予定。いずれもボルダーに、安楽と森はリードにも参戦する。

 W杯シリーズの年間ランキングでは、男子ボルダーで安楽が首位に立つ。第2戦で優勝するなど3105ポイントを獲得し、各大会の成績を鑑みると2年連続で年間王者に輝くことが濃厚だ。2位タイで2365ポイントのパリ五輪金メダリスト、トビー・ロバーツ(英国)と楢崎明智が並び、4位には2340ポイントで楢崎智亜がつけている。日本勢が年間表彰台を独占する可能性も残されている。

 女子ボルダーはパリ五輪金メダリストのヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)が2000ポイントで首位だが、今大会には出場せず。同じポイントを稼いでいるナタリア・グロスマン(米国)が史上初のボルダーW杯年間4連覇に王手をかけ、1950ポイントで3位のオセアニア・マッケンジー(豪州)、1912.5ポイントで4位の中村真緒らが追いかける構図だ。

 リードは男女ともパリ五輪金メダリストが年間首位。2人は2位に約700ポイント差をつけており、ガンブレットは最終戦に出場しないまま逃げ切れるかもしれない。男子は2~6位を日本勢が占めており、年間表彰台に複数選手が上がる可能性がある。スピードはサミュエル・ワトソン(米国)とナタリア・カルッカ(ポーランド)がトップに立っている。大会は2、3日にボルダー、4日にスピード、5、6日にリードを行う。
 

クライミングW杯2024 ソウル大会(ボルダー最終第5戦、スピード最終第5戦、リード最終第6戦)

スケジュール

10月2日(水)
09:00 ~/男子ボルダー予選
15:30 ~/女子ボルダー予選
10月3日(木)
10:00 ~/男女ボルダー準決勝
18:00 ~/男子ボルダー決勝、女子ボルダー決勝
10月4日(金)
14:00 ~/女子スピード予選
14:55 ~/男子スピード予選
20:00 ~/男女スピード決勝
10月5日(土)
09:00 ~/男女リード予選
10月6日(日)
13:00 ~/男女リード準決勝
20:00 ~/女子リード決勝、男子リード決勝

※スケジュールは予告なく変更される場合があります

日本代表 出場予定選手

[男子]
安楽 宙斗(JSOL)/B・L
楢崎 智亜(無所属)/B
緒方 良行(B-PUMP)/B・L
楢崎 明智(日新火災)/B
藤脇 祐二(大阪府山岳連盟)/B
通谷 律(佐賀県山岳・スポーツクライミング連盟)/B
天笠 颯太(東洋染工)/B
吉田 智音(摂南大学)/B・L
山田 航大(埼玉県立久喜北陽高等学校)/B
本間 大晴(小原歯車工業)/L
小俣 史温(日本体育大学)/L
百合草 碧皇(早稲田大学)/L
樋口 純裕(佐賀県山岳・スポーツクライミング連盟)/L
村下 善乙(法政大学)/L
今泉 結太(茨城県山岳連盟)/L
田中 修太(新潟県山岳協会)/L
石津 元崇(周南公立大学)/L
大政 涼(松山大学)/S
安川 潤(早稲田大学)/S
藤野 柊斗(東洋大学)/S
谷井 和季(橿原学院高等学校)/S

[女子]
野中 生萌(無所属)/B
森 秋彩(茨城県山岳連盟)/B・L
中村 真緒(日新火災)/B・L
松藤 藍夢(日本大学)/B
伊藤 ふたば(デンソー岩手)/B・L
石井 未来(滋賀県山岳連盟)/B
関川 愛音(八戸学院光星高等学校)/B
谷井 菜月(奈良県山岳連盟)/L
小武 芽生(エスエスケイフーズ)/L
小田 菜摘(大阪府山岳連盟)/L
高尾 知那(中京大学)/L
林 かりん(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)/S
河上 史佳(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)/S
小屋松 恋(横浜隼人高等学校)/S

※左から氏名、所属先、出場種目(出場予定選手、所属先は9月10日時点)
※出場種目はB=ボルダー、L=リード、S=スピード

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