森が五輪前最後の出場大会で完登V 小武は3位で初表彰台【リードW杯2024 第3戦シャモニー大会】
クライミングW杯のリード第3戦が13、14日(日本時間13~15日)、フランス・シャモニーで行われ、日本のパリ五輪代表・20歳の森秋彩が女子決勝課題を完登して4度目のW杯リード優勝に輝いた。27歳の小武芽生も躍動して3位に入り、自身初のW杯表彰台に上がった。男子はパリ五輪代表のコリン・ダフィー(米国)が制し、日本勢で唯一決勝に臨んだ小俣史温は5位でフィニッシュした。
リード第3戦には男子10人、女子7人の日本人が出場。日本のパリ五輪代表として唯一参加した森は予選の2課題を完登して首位タイ、準決勝は完登に迫る45+で単独首位に立った。前回第2戦で優勝を争ったヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)が不在だったため頂点への期待が高まった。小武は準決勝5位で5年ぶりの決勝へ。男子はジャパンカップ2連覇中の小俣が同3位タイで日本勢としてただ一人ファイナリストに名を連ねた。
女子決勝は先頭のゼリア・アベズー(フランス)が惜しくもトップホールドを取り損ねるなど全員が高度40以上を記録した。4番手の小武は高度28付近で時間を要するも切り抜けると、レストを挟んだあと残り1分を切ってから驚異的な速さで10手以上高度を上げていく。細かいホールドにも対応したがトップホールドはとらえ切れず。それでも44+でアベズーと並びカウントバックで暫定首位に立った。
その後、フロラ・オブラッサー(オーストリア)、アナスタシア・サンダース(米国)の16歳2人が42+、41+に終わると、7番手のジェシカ・ピルツ(オーストリア)は1分弱を残してこのラウンドの初完登をマークした。最後に登る森は、優勝のためには完登するしかない中で淡々とムーブをこなしていく。約1分を残してあとは最後のムーブを起こすところまで達するが、距離のある一手を前に中々スタートが切れない。それでも右足から踏み出すと右手一本でトップホールドを抑え切り、最後の支点にクリップしてカウントバックによる優勝を決めた。両手を挙げて大声援に応えた森は、完登で4度目のW杯リード優勝を飾り、パリ五輪前最後の出場大会を締めくくった。小武は4位だった自己最高順位を更新する3位に入り、自身初のW杯表彰台に上がった。
8人中6人をパリ五輪代表が占めた男子決勝は、2番手で42+を記録したダフィーが逃げ切って2度目の優勝を飾った。2位はサム・アベズー(フランス)、3位はトビー・ロバーツ(英国)でパリ五輪代表勢が表彰台に上がった。小俣は38+で5位だった。次回W杯は今月17~19日(現地時間)、五輪前最後の大会としてフランス・ブリアンソンでスピード第4戦、リード第4戦が行われる。
<決勝リザルト>
[女子]
1位:森 秋彩(JPN)/TOP
2位:ジェシカ・ピルツ(AUT)/TOP
3位:小武 芽生(JPN)/44+
4位:ゼリア・アベズー(FRA)/44+
5位:フロラ・オブラッサー(AUT)/42+
6位:マッテア・ポッチ(AUT)/42+
7位:アナスタシア・サンダース(USA)/41+
8位:ミア・クランプル(SLO)/41+
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10位:小田 菜摘(JPN)※準決勝進出
13位:谷井 菜月(JPN)※準決勝進出
21位:中村 真緒(JPN)※準決勝進出
23位:高尾 知那(JPN)※準決勝進出
28位:美谷島 ももか(JPN)
[男子]
1位:コリン・ダフィー(USA)/42+
2位:サム・アベズー(ITA)/41+
3位:トビー・ロバーツ(GBR)/39
4位:アルベルト・ヒネス・ロペス(ESP)/38+
5位:小俣 史温(JPN)/38+
6位:アダム・オンドラ(CZE)/37+
7位:サッシャ・レーマン(SUI)/36+
8位:ギエルモ・ペイナド・フランガニーロ(ESP)/31+
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9位:村下 善乙(JPN)※準決勝進出
11位:百合草 碧皇(JPN)※準決勝進出
12位:吉田 智音(JPN)※準決勝進出
16位:樋口 純裕(JPN)※準決勝進出
17位:本間 大晴(JPN)※準決勝進出
27位:緒方 良行(JPN)
28位:今泉 結太(JPN)
31位:田中 修太(JPN)
33位:石津 元崇(JPN)
CREDITS
文 編集部 / 写真 © Jan Virt / IFSC