優勝したガンブレット

全完登のガンブレットが今季2勝目 中村は自己最高4位【ボルダーW杯2024 第3戦インスブルック大会】

 オーストリアのインスブルックで27日(日本時間28日)、パリ五輪前最後となるボルダーW杯(第3戦)の女子決勝が行われ、2大会連続の五輪金メダルが有力視されているヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)が優勝。ボルダーで今季2戦2勝とした。日本勢では中村真緒が4位でフィニッシュしW杯での自己最高順位を更新した。

 26日の予選は完登が多く見られ、中村も全5完登し総合9位で日本勢トップに。今季のW杯に初出場の五輪代表・森秋彩は11位、関川愛音は19位で日本人3人が準決勝に進出した。27日(同28日)の準決勝は一転して完登数が減少。首位のガンブレットが唯一の2完登をマークした。中村は1完登2ゾーンで6位となり、5年ぶりにW杯決勝を戦った第2戦ソルトレイクシティ大会に続くファイナル行きを決めた。森は第1課題で距離のあるホールドに手が届かず、一度もスタートポジションにつくことができないまま第2課題に移ると、今度はゴール下で左足の置きどころが定まらず苦戦。そのままゼロ完登で終わり15位で敗退した。関川は10位だった。

森は15位で敗退した

大観衆が見守った決勝

 迎えた決勝にはおよそ3000人の観客が詰めかけた。第1課題、スイングからジャンプしてコーディネーションムーブに繋げていく前半パートが難所となり、先頭の中村、ファニー・ジベール(フランス)はノーゾーンに終わる。若干16歳ながら3度目のW杯決勝を登るアナスタシア・サンダース(米国)はうまくタメをつくってシンプルなランジを選択。核心部を攻略すると、そのままトップホールドへ達した。17歳のジェニファー・エウカリア・バックリー(スロベニア)も続き、新世代が会場を沸かせる。

第1課題を登るサンダース

ボルダーW杯初出場のバックリー

 その後、若手2人は第2、第3課題も完登して上位争いを演じるが、ガンブレットがより少ないアテンプト数で完登を刻む。難関となった最終第4課題でサンダース、バックリーがゾーンなしに終わり、ガンブレットの優勝が確定。“ウイニングクライム”は抜群のフィジカル能力で登り切った。4完登をいずれも3アテンプト以内で仕留め、最後は感極まった表情を見せた。バックリーはボルダーW杯初出場ながら2位の快挙。サンダースも初表彰台の3位となった。そして4位に入ったのが中村。得意のスラブなど2課題をそれぞれ2アテンプトで沈めるなど見せ場をつくり、これまで6位だったW杯での自己最高順位を更新した。

優勝を決めて声援に応えるガンブレット

中村は2完登で自己最高4位に入った

<決勝リザルト>

1位:ヤンヤ・ガンブレット(SLO)/4T4z 10 9
2位:ジェニファー・エウカリア・バックリー(SLO)/3T3z 11 8
3位:アナスタシア・サンダース(USA)/3T3z 12 9
4位:中村 真緒(JPN)/2T2z 4 2
5位:ジェシカ・ピルツ(AUT)/1T4z 6 13
6位:ファニー・ジベール(FRA)/0T2z 0 5
――――――
10位:関川 愛音(JPN)※準決勝進出
15位:森 秋彩(JPN)※準決勝進出
25位:平野 夏海(JPN)
27位:松藤 藍夢(JPN)
33位:石井 未来(JPN)

※左から順位、氏名、所属国、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

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編集部 / 写真 © Lena Drapella/IFSC

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