予選シリーズ第1戦でボルダー競技前のオブザベーションを行う伊藤(左)と野中

パリ五輪予選シリーズ第2戦が明日からブダペストで開催 ボルダー&リードは野中、伊藤が上位で最終決戦へ

 スポーツクライミングなどアーバンスポーツ4競技が行われるパリ五輪予選シリーズの第2戦が現地時間20~23日(日本時間20~24日)にハンガリーのブダペストで開催される。

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 第1戦(5月/中国・上海)と第2戦の各順位に割り当てられた合計ポイント上位選手にパリ行き切符が与えられる予選シリーズ。IFSC(国際スポーツクライミング連盟)によれば、スポーツクライミングはボルダー&リード種目で男女上位12人ずつ、スピード種目で男女上位7人ずつが五輪の出場権を得る。日本勢は第1戦、ボルダー&リード女子で野中生萌が4位(38ポイント)、伊藤ふたばが5位(36ポイント)に入り、出場権獲得へ好位置につけた。パリ五輪の各国最大出場人数は各種目で男女2人ずつ。同種目ではすでに森秋彩が五輪代表に内定しているため、日本女子に残されたのは1枠。第2戦終了時にポイント上位だった日本女子1人が五輪代表に仲間入りする。

 日本代表の安井博志ヘッドコーチは今月上旬に行われたメディアブリーフィングで、第1戦のボルダー課題について「ジャンプしたり横に大きくランニングしたりするような『動き』の課題ばかりだった。クライミングは本来、握って動いたり上半身でしっかり引いて遠くを取ったりするような課題が多いが、第1戦では(課題構成が全体的に)動きに寄ってしまい、彼女たちの練習してきた内容ではない部分で差が付いたと感じた」とコメント。「IFSC(国際スポーツクライミング連盟)にはクレームを入れているので、ブダペストでの第2戦はよりバランスのいい、総合力が試される大会になると思う」と展望を語った。

 第2戦で仮に伊藤が4位、野中が5位で第1戦と逆の結果となり、合計ポイントで並んだ場合は、第2戦の成績が優先されるため伊藤が五輪代表に内定する。同種目の男子は楢崎智亜、安楽宙斗が内定し2枠を満たしているため、本シリーズに日本勢は出場しない。

 男女とも日本勢が出場権を手にしていないスピードは、第1戦で大政涼が14位、安川潤が29位、女子は24位の林かりんを筆頭に竹内亜衣、河上史佳、林奈津美の4人とも20位台だった。最も五輪出場に近いのが大政。大政より上位には13人いるが、そのうち同国勢で複数人を占めている中国、インドネシアは出場枠が残り1つのため、大政が合計ポイント8位以下で終わった場合でも繰り下げで五輪出場の権利が回ってくる可能性がある。各種目での五輪内定はなるか。日本勢の活躍に期待したい。
 

パリ五輪予選シリーズ第2戦 ブダペスト大会

スケジュール

6月20日(木)
12:00 ~ /ボルダー&リード男女予選(ボルダー)(19:00 ~)
6月21日(金)
10:00 ~ /ボルダー&リード男女予選(リード)(17:00 ~)
17:00 ~ /スピード女子予選(22日 00:00 ~)
17:50 ~ /スピード男子予選(22日 00:50 ~)
6月22日(土)
10:00 ~ /ボルダー&リード男女準決勝(ボルダー)(17:00 ~)
14:00 ~ /ボルダー&リード男女準決勝(リード)(21:00 ~)
18:15 ~ /スピード男女決勝(23日 01:15 ~)
6月23日(日)
10:00 ~ /ボルダー&リード女子決勝(ボルダー)(17:00 ~)
12:05 ~ /ボルダー&リード女子決勝(リード)(19:05 ~)
15:30 ~ /ボルダー&リード男子決勝(ボルダー)(22:30 ~)
17:35 ~ /ボルダー&リード男子決勝(リード)(24日 00:35 ~)

※スケジュールは予告なく変更される場合があります
※()内は日本時間

日本代表出場予定選手

[ボルダー&リード男子]
なし
[ボルダー&リード女子]
野中 生萌(無所属)/38pt
伊藤 ふたば(デンソー岩手)/36pt
中川 瑠(日本大学)/21pt
久米 乃ノ華(日本大学)/1pt
[スピード男子]
大政 涼(松山大学)/27pt
安川 潤(早稲田大学)/12pt
[スピード女子]
林 かりん(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)/17pt
竹内 亜衣(筑波大学)/15pt
河上 史佳(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)/13pt
林 奈津美(奈良県山岳連盟)/12pt

※左から氏名、所属先、第1戦終了時のポイント

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編集部 / 写真 © Kazushige Nakajima / IFSC

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