銀メダルを獲得した東京大会に続き、2大会連続の五輪出場を目指す野中生萌

パリ行き懸かるスポーツクライミングの五輪予選シリーズ第1戦が明日から上海で開催 ボルダー&リードで日本女子は野中、伊藤らが1枠を争う

 スポーツクライミングなどアーバンスポーツ4競技が行われるパリ五輪予選シリーズ第1戦が明日16日から19日まで中国の上海で開催される。五輪行きを懸けた最後の選考大会がいよいよ幕を開ける。

 五輪予選シリーズでは、スポーツクライミングに加え、スケートボード、自転車のBMXフリースタイル、ブレイキンの4競技が1つの会場で行われる。スポーツクライミングはこれが最後の五輪選考大会となり、第1戦と第2戦(6月/ハンガリー・ブダペスト)の合計ポイント上位選手にパリ行き切符が与えられる。実施種目はボルダー&リードとスピードで、前者には世界ランキング上位者など男女48人ずつがエントリーして上位12人ずつが、後者には同じくランキング上位者など男女32人ずつがエントリーして上位7人ずつがパリ五輪の出場権を獲得する。当初の発表では本シリーズの出場枠はボルダー&リードが上位10人ずつ、スピードが上位5人ずつだった。それぞれ2枠増えた格好だ。

 ポイントは各戦の1位に50ポイント、2位に45ポイント、3位に41ポイント、4位に38ポイント、5位に36ポイント、6位以降は35ポイントから順位が1つ下がるごとに1ポイント引かれていき、40位以降は1ポイントとなる。W杯シリーズ各戦の1位1000ポイント、2位905ポイント、3位690ポイントなどに比べると順位間の差が少なく、これについて日本代表の安井博志ヘッドコーチは「W杯とは違い大きなポイント差が生まれず、2大会でしっかりポイントを取らなければならない」と話す。
 
 パリ五輪の各国最大出場人数は各種目で男女2人ずつ。ボルダー&リードの日本男子は楢崎智亜と安楽宙斗で2枠を満たしているため、本シリーズには出場しない。同種目女子は森秋彩が代表に内定しており、残り1枠を野中生萌、伊藤ふたば、中川瑠、久米乃ノ華の4人で争う。野中、伊藤はボルダーを、中川、久米はリードを得意とするが、もう片方の実力も高く、12位以内に日本勢が複数人入るシナリオは既定路線だろう。そうなると日本勢最上位の選手が残り1枚の切符をつかむこととなる。男女とも日本勢が出場権を手にしていないスピードは、男子で大政涼、安川潤の2人、女子で竹内亜衣、林かりん、河上史佳、林奈津美の4人が出場予定。日本男子の2人は5秒台前半までタイムを伸ばしてきており、五輪チケット2枚を手にする可能性は十分にある。

 上海での注目の一戦は16~17日に各種目の予選を行い、18日にボルダー&リードの準決勝、スピードの決勝、19日にボルダー&リードの決勝を行う。ボルダー&リードは予選20位までが準決勝へ、準決勝8位までが決勝へ進出。スピードは予選16位までがトーナメント方式の決勝に駒を進める。
 

パリ五輪予選シリーズ 上海大会

スケジュール

5月16日(木)
10:30 ~ /ボルダー&リード男女予選(ボルダー)(11:30 ~)
5月17日(金)
10:00 ~ /ボルダー&リード男女予選(リード)(11:00 ~)
16:50 ~ /スピード女子予選、男子予選(17:50 ~)
5月18日(土)
09:30 ~ /ボルダー&リード男女準決勝(ボルダー)(10:30 ~)
13:30 ~ /ボルダー&リード男女準決勝(リード)(14:30 ~)
17:00 ~ /スピード男女決勝(18:00 ~)
5月19日(日)
10:00 ~ /ボルダー&リード男子決勝(ボルダー)(11:00 ~)
12:05 ~ /ボルダー&リード男子決勝(リード)(13:05 ~)
15:25 ~ /ボルダー&リード女子決勝(ボルダー)(16:25 ~)
17:30 ~ /ボルダー&リード女子決勝(リード)(18:30 ~)

※スケジュールは予告なく変更される場合があります
※()内は日本時間

日本代表出場予定選手

[ボルダー&リード男子]
なし
[ボルダー&リード女子]
野中 生萌(無所属)
伊藤 ふたば(デンソー岩手)
中川 瑠(日本大学)
久米 乃ノ華(日本大学)
[スピード男子]
大政 涼(松山大学)
安川 潤(早稲田大学)
[スピード女子]
竹内 亜衣(筑波大学)
林 かりん(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)
河上 史佳(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)
林 奈津美(奈良県山岳連盟)

CREDITS

編集部 / 写真 © Kazushige Nakajima / IFSC

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