パラクライミングW杯開幕戦で高野、濱ノ上、會田が金、結城が銅
パラクライミングのW杯開幕戦が7、8日(日本時間8、9日)、米国のソルトレイクシティで行われた。日本勢は男子でRP3の高野正、B3の濱ノ上文哉、B1の會田祥が優勝、AL2の結城周平が3位と好調なスタートを切った。
今大会には日本から9人が出場。7日の予選を経て6人が8日の決勝に進んだ。決勝はクラス別に開催され、それぞれの選手が自分の障がいの特徴を生かしながらルートに挑んだ。
男子RP1(神経障がいなど)の岡田卓也は、バランスが取りづらく、特に右半身を動かしにくい。右手はぶら下がる程度で、左側を推進力として登った。粘り強い登りでルートの後半を目指し4位となった。男子AL1(下肢障がい)の畠山直久は両脚を使うことができないため、体幹を振り子のようにして左右に大きく振りながら登った。トラバースのセクションをこなし、力が尽きようとする中で数手を出してフォール。結果は4位で表彰台にはわずかに届かなかった。男子AL2(下肢障がい)の結城は、残る左脚を軸にしたリズミカルな登りで上部を目指した。2位のイーサン・ジル(米国)と同高度まで登ったが、予選の結果から3位となった。
男子RP3(神経障がいなど)の高野は、幼い頃の病気が原因で左脚に力が入らない。決勝ではその障がいを感じさせない登りで最終セクション手前までスピーディに到達。ここで観客へ声援を求めるなどの余裕を見せ、他の選手が苦しんだ最終セクションもこなし難なく完登。優勝を決めた。
男子B(視覚障がい)の各クラスは、トラバースとボリューム系のホールドを組み合わせた距離感のあるルートでの戦いとなった。男子B3(B2と統合)の濱ノ上はルート中間部の遠いホールドに苦しめられたが、何とか上部へと繋ぐと、持ち前の持久力で最終セクション直前まで迫り優勝を果たした。
男子B1の會田は遠いホールドを確実に捉えながら、よどみなく最終セクションへ進む。ゴール直前の甘いホールドでフォールするが、2位を引き離しての優勝を飾った。
今シーズンのパラクライミングW杯は、このソルトレイクシティ大会を含めて6月24、25日のオーストリア・インスブルック大会、9月27、28日のイタリア・アルコ大会と全3戦が予定されている。
<日本人選手結果>
[男子RP3]
1位:高野 正
[男子B3]
1位:濱ノ上 文哉(宮本 容幸)
[男子B1]
1位:會田 祥(田中 星司)
[男子AL2]
3位:結城 周平
[男子RP1]
4位:岡田 卓也(野田 健一)
[男子AL1]
4位:畠山 直久(志賀 真穂)
6位:大内 秀之(只信 実鈴)
[女子AL2]
7位:渡邉 雅子
[女子RP2]
7位:二橋 真音衣(二橋 加奈子)
※()内はaid/guide
CREDITS
文 蓑和田一洋(パラクライマー) / 構成 編集部 / 写真 Slobodan Miskovic – @xsloba / IFSC