女子ユースAを制し、大会3連覇、4度目の優勝を飾った小田菜摘(中央)

小田菜摘、小俣史温が4度目V【リードユース日本選手権2024】

 スポーツクライミングの第12回リードユース日本選手権が4~6日、ONODERASIGN Climbing Base(岩手県営運動公園スポーツクライミング競技場)で行われ、女子ユースA(2007、08年生まれ)の小田菜摘が女子では大会史上最多タイとなる3連覇、通算4度目の優勝を成し遂げた。

(左から)女子、男子の決勝ルート

 シニア大会デビューを迎えた今年、2月のリードジャパンカップで3位に入り、4月のW杯では決勝進出を果たした16歳の小田は、4日の予選1本目、5日の予選2本目でそれぞれ1位の高度をマーク。ユースの大会に戻ってもその高い実力を示す。6日の決勝は持ち手が小さくなる終盤のセクションで落下するもトップタイの高度で終え、予選上位だった小田がカウントバックで1位に立った。これでユースBで優勝した22、23年大会に続く3連覇を達成。20年にはユースC(ユース日本選手権での同カテゴリー開催は同年まで)で優勝しており、出場したユース日本選手権では4戦4勝となった。大会3連覇、通算4度目の優勝は女子では田嶋あいかに並ぶ記録。

小田が女子ユースAを制し、大会3連覇、4度目の優勝を果たした

 男女それぞれ各カテゴリー共通のルートが取られた中で、ユースB(2009、10年生まれ)の林有沙が小田に並ぶ42+で同カテゴリー優勝。完登まではあと7手だった。ジュニア(2005、06年生まれ)では竹内亜衣が41+でトップに立ち、ボルダー、スピードと合わせて3種目でユース日本選手権を制する初の快挙となった。

女子ユースB優勝の林

女子ジュニア優勝の竹内

 男子は終盤に差し掛かる高度33からスイングしてダブルダイノするパートが1つの鬼門となるも、ユースBの仲田和樹、ユースAの長森晴はそこを越えて44+まで記録を伸ばし優勝。仲田は昨年のユース世界選手権王者の濱田琉誠を抑えて初出場での戴冠で、スイングを避けて難所を突破した長森は前回のユースB優勝からカテゴリーをまたいでの頂点となった。

スイングする男子ユースB優勝の仲田。この後ダブルダイノを決めた

男子ユースA優勝の長森晴

 2006年生まれがファイナリスト8人中7人を占めたジュニアではリードジャパンカップ2連覇中の本命・小俣史温が40+に3人が並んだ接戦をカウントバックで制し、男子最多の大会4勝目を挙げた。

男子ジュニア優勝の小俣。男子最多4度目の優勝に輝いた

<表彰台一覧>

女子ユースB/U-16(2009、10年生まれ)

1位:林 有沙(無所属)/42+
2位:徳嵩 悠乃(長野県山岳協会)/41+
3位:中村 まりん(茨城県山岳連盟)/41

女子ユースA/U-18(2007、08年生まれ)

1位:小田 菜摘(大阪府山岳連盟)/42+
2位:麦島 心花(愛知県山岳・スポーツクライミング連盟)/42+
3位:藤村 侃奈(奈良県山岳連盟)/41+

女子ジュニア/U-20(2005、06年生まれ)

1位:竹内 亜衣(筑波大学)/41+
2位:小倉 紗奈(奈良県山岳連盟)/40+
3位:永嶋 美智華(静岡県山岳・スポーツクライミング連盟)/40

男子ユースB/U-16(2009、10年生まれ)

1位:仲田 和樹(神奈川県山岳連盟)/44+
2位:濱田 琉誠(神奈川県山岳連盟)/40+
3位:宮川 幸大(静岡県山岳・スポーツクライミング連盟)/30+

男子ユースA/U-18(2007、08年生まれ)

1位:長森 晴(埼玉県山岳・スポーツクライミング協会)/44+
2位:藏敷 慎人(兵庫県山岳連盟)/43+
3位:船木 陽(栃木県山岳・スポーツクライミング連盟)/40+

男子ジュニア/U-20(2005、06年生まれ)

1位:小俣 史温(日本体育大学)/40+
2位:和田 樹怜(高知県山岳連盟)/40+
3位:杉本 侑翼(三重県山岳・スポーツクライミング連盟)/40+

※左から氏名、所属先、決勝成績(高度)
※同高度の場合は前ラウンド順位の高い選手が上位

「第12回リードユース日本選手権いわて盛岡大会」特設サイト
大会公式掲示板(競技順・成績速報などはこちらから)

CREDITS

編集部 / 写真 田中伸弥

※当サイト内の記事・テキスト・写真・画像等の無断転載・無断使用を禁じます。

back to top