(左から)オリアーヌ・ベルトン、ナタリア・グロスマン、ナイル・メイニャン

グロスマンがW杯通算10勝目 中村は5年ぶり決勝で2完登6位【ボルダーW杯2024 第2戦ソルトレイクシティ大会】

 米国・ソルトレイクシティで5日(日本時間6日)、クライミングW杯のボルダー第2戦女子決勝が行われ、パリ五輪代表のナタリア・グロスマン(米国)がW杯通算10勝目を挙げた。日本勢は中村真緒が決勝を戦い、2完登で6位に入った。

 前日の男子決勝と同じく、多くの観客が見守る中で始まった決勝は、パワーと足技を駆使して4人が一撃するなど全員が完登発進する。2つのコーディネーションムーブで構成された横長の第2課題はナイル・メイニャン(フランス)、オリアーヌ・ベルトン(フランス)、グロスマンの3人が完登。2位に2完登差の全4完登で準決勝首位だったグロスマンは2連続フラッシュとなり拳をつくって喜んだ。

第1課題を一撃したグロスマン

 パワーが要求される第3課題はメイニャンとグロスマンが3完登目をマーク。グロスマンは3度目の一撃を決めた。中村は足をうまく使うなどテクニカルに攻略して会心の一撃。ジャパンカップ女王の実力を見せて上位に食らいついていく。薄いフットホールドへ降り立つムーブが難所となった緩傾斜の最終課題は、オセアニア・マッケンジー(オーストラリア)が1トライで決めて観客を沸かせる。その後登り切ったのはベルトンのみで、グロスマンでも完登はならず。しかしゾーンを獲得したことで自国開催での優勝を確定させた。ソルトレイクシティでのW杯は21、22年に2度ずつ、23年に1度行われているが、そのすべてでグロスマンが制しており、同地での優勝は6度目となった。

 2位にはパリ五輪代表のベルトン、3位にはメイニャンが入り、フランス勢が表彰台の脇を固めた。5年ぶりのW杯出場ながらムーブの判断力が光るなど印象的なパフォーマンスを見せたメイニャンはW杯で初のメダルを獲得。中村は6位に終わったものの2完登。常に笑顔を見せるなど、2019年ベイル大会以来となる5年ぶりのW杯決勝を楽しんでいるようだった。

中村は5年ぶりにW杯決勝を戦った

<決勝リザルト>

1位:ナタリア・グロスマン(USA)/3T4z 3 10
2位:オリアーヌ・ベルトン(FRA)/3T4z 6 6
3位:ナイル・メイニャン(FRA)/3T4z 6 13
4位:オセアニア・マッケンジー(AUS)/2T4z 2 7
5位:ブルック・ラバトゥ(USA)/2T3z 2 7
6位:中村 真緒(JPN)/2T3z 4 5
――――――
10位:松藤 藍夢(JPN)※準決勝進出
11位:関川 愛音(JPN)※準決勝進出
21位:平野 夏海(JPN)
46位:石井 未来(JPN)

※左から順位、氏名、所属国、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

CREDITS

編集部 / 写真 Slobodan Miskovic – @xsloba / IFSC

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