(左から)カミーラ・モローニ、ヤンヤ・ガンブレット、ラク・チリョ

今年も“絶対的強さ”健在 ガンブレットが開幕戦優勝【ボルダーW杯2024 第1戦柯橋大会】

 中国・柯橋で開催中の2024年クライミングW杯シリーズ初戦となるボルダー第1戦で9日、女子決勝が行われ、4課題すべてを登り切ったヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)が優勝した。日本勢は松藤藍夢が決勝を戦い6位に入った。

会場の「紹興柯橋羊山スポーツクライミングセンター」

 前日の予選は全5課題を一撃した野中生萌がグループB首位に立つなど日本勢4人が通過。9日の準決勝では2月のボルダージャパンカップで優勝の中村真緒とともに上位争いを演じた松藤が2完登して3位に入り、日本勢で唯一の決勝進出を果たす。セミファイナリスト20人のうち10人がゼロ完登に終わった中で、その他の日本勢4人も各課題を攻略できず敗退となった。

松藤が準決勝3位で決勝に駒を進めた

 決勝は準決勝をただ1人3完登していたガンブレットの独壇場となった。第1課題、前半の連続して手を繰り出すコーディネーションムーブが難関となり、カミラ・モローニ(イタリア)が6アテンプト、ゼリア・アベズー(フランス)が5アテンプトを要して完登、松藤ら3人はノーゾーンに終わった中で、最後に登るガンブレットはそれまでの5人とは異なりゆっくりとムーブを繋げて一撃してみせる。

第4課題に挑むガンブレット

 これで流れをつくったガンブレットは、縦にラインが引かれた第2課題はさも当然かのように一撃。緩傾斜壁の第3課題は最初のトライで足を踏み外してしまったもののすぐさま修正してトップホールドに到達し、余裕の笑みを浮かべた。強傾斜の中を進む最終課題はガンブレットのみが完登。自在に身体をコントロールして決勝3つ目のフラッシュを記録し、今年も絶対的な強さを示したスロベニアの英雄が2大会連続の五輪金メダルに向けて上々の開幕スタートを切った。2位にはW杯初表彰台のモローニ、3位には自国開催で駆け付けた観客を2度の一撃で沸かせたラク・チリョ(中国)が入った。

<決勝リザルト>

1位:ヤンヤ・ガンブレット(SLO)/4T4z 5 5
2位:カミラ・モローニ(ITA)/2T3z 10 13
3位:ラク・チリョ(CHN)/2T2z 2 2
4位:ゼリア・アベズー(FRA)/1T3z 5 15
5位:エリン・マクニース(GBR)/1T2z 1 6
6位:松藤 藍夢(JPN)/1T2z 2 4
――――――
11位:中村 真緒(JPN)※準決勝進出
11位:伊藤 ふたば(JPN)※準決勝進出
13位:野中 生萌(JPN)※準決勝進出
17位:石井 未来(JPN)※準決勝進出
25位:中川 瑠(JPN)

※左から順位、氏名、所属国、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

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編集部 / 写真 © Kazushige Nakajima / IFSC

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