大政涼がスピード銅で健闘も五輪内定ならず【パリ五輪アジア大陸予選】
スポーツクライミングのパリ五輪アジア大陸予選(インドネシア・ジャカルタ)は12日、スピードの男女決勝を行い、男子優勝のラフマド・アディ・ムリョーノ(インドネシア)と女子優勝のデン・ルイウン(中国)が五輪代表に内定した。日本勢は大政涼が男子3位で銅メダルを獲得したが、優勝には届かず、五輪内定は持ち越しとなった。
同日の予選では日本勢全員が決勝トーナメントに駒を進めた。日本勢トップは、男子は5秒27で3位の安川潤、女子は7秒95で8位の林かりん。男子の予選通過者16人には世界ランク1位のウー・ペン(中国)や4秒90の世界記録を持つベドリック・レオナルド(インドネシア)も名を連ねた。
決勝トーナメント1回戦では林かりんと河上史佳が対決。鳥取県勢2人によるレースは河上が途中で足を滑らせてしまい林に軍配が上がった。今大会の日本代表メンバーで最年長31歳の林奈津美は初戦で敗退した。男子は大政が中国の難敵ロン・ジンバオに勝利を収めて準々決勝へ進むも、安川と谷井和季は次のレースへ進めず。安川は0秒005の差で元世界記録保持者のレザー・アリプアシェナザンディファー(イラン)に惜しくも敗れた。男女とも強豪国のインドネシア勢、中国勢は順当に準々決勝に進出した。
準々決勝で林かりんはデンと対戦。しかし序盤で落下してしまい勝利を逃す。一方の大政はレザーに5秒24で勝利。ベスト4に進出する。さらに準決勝では前世界記録保持者のキロマル・カティビン(インドネシア)と対峙。しかし5秒14のキロマルに5秒26で及ばず、3位決定戦に回った。大政は銅メダルのかかる一戦で世界ランク1位のウーを上回り5秒15で快勝した。
インドネシア勢2人が準決勝で敗れた女子のビッグファイナルはデンとチョン・ジミン(韓国)の組み合わせ。実績で劣るチョンがリードするも、足がスリップして逆転を許し、五輪内定を決めたデンは頭を抱えて喜んだ。
男子ビッグファイナルに進出したのは世界ランク1位と世界記録保持者の2人を破ったラーマッドとキロマル。すでにどちらかが五輪に内定する状況に、会場に駆け付けた多くのインドネシア人から歓声が起こる中、ラーマッドが勝利。歓喜の涙を流し、五輪代表に内定した。
今大会での五輪内定はならなかったスピード日本勢は、来年5、6月に上海とブダペストで行われる五輪予選シリーズであらためて五輪行きをかけた戦いに挑む。
<リザルト>
[男子]
1位:ラフマド・アディ・ムリョーノ(INA)/5秒35
2位:キロマル・カティビン(INA)/FALL
3位:大政 涼(JPN)/5秒15
4位:ウー・ペン(CHN)/6秒23
――――――
9位:安川 潤(JPN)/5秒31 ※決勝T進出
14位︰谷井 和季(JPN)/5秒93 ※決勝T進出
[女子]
1位:デン・ルイウン(CHN)/6秒98
2位:チョン・ジミン(KOR)/8秒46
3位:ラジア・サルサビラ(INA)/6秒73
4位:ナルダ・ムティア・アマンダ(INA)/FALL
――――――
8位:林 かりん(JPN)/FALL ※決勝T進出
10位:河上 史佳(JPN)/9秒03 ※決勝T進出
12位:林 奈津美(JPN)/8秒68 ※決勝T進出
CREDITS
文 編集部 / 写真 © Lena Drapella/IFSC