ボルダー&リード男子の金メダルに輝いた安楽(中央)

16歳・安楽宙斗が金! ボルダー、リードいずれも高得点で大勝【杭州アジア大会】

 中国で行われている杭州アジア大会のスポーツクライミング競技は6日、紹興市にある紹興柯橋羊山スポーツクライミングセンターでボルダー&リード種目の男子決勝を行い、16歳の安楽宙斗が金メダルに輝いた。ボルダーとリードいずれも高得点を稼ぎ、2位以下に大差をつける圧勝だった。

 今年初参戦したクライミングW杯で、同じ年にボルダーとリードそれぞれの年間王者となる史上初の快挙を成し遂げた安楽は“アジア版オリンピック”でもその実力を示す。5日の予選でボルダー99.9点、リード100点とほぼ完璧な内容で2位につけると、6日午前開始の準決勝ではリードで唯一完登するなどして184.7点で首位。3位に入った楢崎明智とともに決勝に駒を進めた。

予選の様子

 決勝ではボルダー第1課題を一撃発進。完登者ゼロだった第3課題を3トライ目に初登すると、第4課題は再びフラッシュして全4完登とし99.7点を手にした。楢崎も3完登で2位となり、日本勢2人が3位以下を1完登以上引き離して上位を占めた。リードは難易度が高く、8人中6人が半分以下の高度で落下。しかし最後に登る安楽は完登まであと3手に迫る41+の成績で2位を9手上回り88.1点を加えた。

安楽はボルダーでただ一人全完登

リードも完登に迫り高得点を手にした

 合計187.8点とした安楽は118.7点のイ・ドヒョン(韓国)におよそ70点差をつけてアジア大会初制覇を果たした。2日間でこなした3つのラウンドはいずれも高得点。決勝は3位以下が100点未満だった中で、その強さが際立った。3位には地元中国のパン・ユーフェイが入り、楢崎はメダルを逃した。リードで高度13の9点にとどまったことが響き、合計83.4点で5位。パンとは4.2点差で、惜しくも表彰台には届かなかった。

楢崎はボルダーで3完登74.4点の2位につけるも、リードでポイントを重ねられず5位で終えた

<リザルト>

1位:安楽 宙斗(JPN)
 187.8pt(B 99.7pt/L 88.1pt)
2位:イ・ドヒョン(KOR)
 118.7pt(B 64.6pt/L 54.1pt)
3位:パン・ユーフェイ(CHN)
 87.6pt(B 59.6pt/L 28pt)
4位:チョン・ジョンウォン(KOR)
 85.6pt(B 69.6pt/L 16pt)
5位:楢崎 明智(JPN)
 83.4pt(B 74.4pt/L 9pt)
6位:ファン・ジンビン(CHN)
 47.7pt(B 39.6pt/L 8.1pt)
7位:チュン・チー・ショージ・チャン(HKG)
 47.4pt(B 39.3pt/L 8.1pt)
8位:ムハンマド・リズキ・シャフラフリ・シマトゥパン(INA)
 24.2pt(B 19.2pt/L 5pt)

※上段左から順位、氏名、所属国
※下段左から2種目の合計ポイント、各種目のポイント(B=ボルダー、L=リード)

大会スケジュールや出場日本人選手はこちらから

CREDITS

編集部 / 写真 © Dimitris Tosidis/IFSC

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