5秒14の日本記録を持つ大政涼

クライミング世界選手権10日目はスピード予選・決勝 上位2人にパリ五輪出場権

 スイス・ベルンで開催中のIFSCクライミング世界選手権は10日、スピードの男女予選・決勝を行う(決勝は日本時間11日)。

 今大会で2位以内に入ることができれば、2024年パリ五輪の出場権を獲得できる。パリ五輪では、東京五輪で実施された3種目複合(ボルダー、リード、スピード)からスピードが独立する形となる。最高峰の舞台を求めて、世界屈指のスピードクライマーたちがベルンでの決戦に臨む。

 男子の本命はベドリック・レオナルド(インドネシア)。今年に入って前人未到の4秒台を叩き出した。現在は4秒90の世界記録を持ち、2021、22年と2年連続でW杯年間王者にも輝いている。有力選手ひしめくインドネシア勢、中国勢が優勝を争う展開が予想できる中で、今シーズンのW杯第4戦で3位に入った日本記録保持者(5秒14)の大政涼、第5戦で4位に入った安川潤ら成長著しい日本勢は食い込めるか。

ベドリック・レオナルド(写真:© Dimitris Tosidis/IFSC)

 女子は6秒25の世界記録を持つポーランドのアレクサンドラ・ミロスラフがW杯8連勝中とほとんどミスなく安定した成績を残している。今年6月から7月にかけて開催されたヨーロッパ競技大会のビッグファイナルでは同郷の世界ランク1位ナタリア・カルッカに敗れたものの、優勝候補筆頭であることは間違いないだろう。ポーランドにはナタリアの双子の姉妹で世界ランク3位のアレクサンドラ・カルッカもおり、今大会の2位以内を同国が独占する可能性も考えられる。しかし中国、インドネシアも多数の強豪選手を抱え、第2勢力の米国、フランスにも実力者が控えている。五輪内定の2枠をかけた各国による熾烈な戦いが繰り広げられそうだ。世界トップクラスとはまだ差の開いている日本勢もその競争に割って入っていきたい。

アレクサンドラ・ミロスラフ(左)(写真:© Dimitris Tosidis/IFSC)

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編集部 / 写真 © Jan Virt/IFSC

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