男子年間表彰台に上がった(左から)イ・ドヒョン、安楽宙斗、楢崎智亜

16歳・安楽宙斗がW杯初参戦で年間優勝 楢崎智亜も3位で表彰台【ボルダーW杯2023 男子年間ランキング】

 2023年のクライミングW杯ボルダーシーズンは現地16日にオーストリア・インスブルックで行われた男子最終第6戦をもって全日程が終了。男子の年間ランキングも確定し、1位には最終戦で逆転した16歳の安楽宙斗、2位には韓国のイ・ドヒョン、3位には日本の楢崎智亜が入り、日本勢2人を含むアジア勢が年間表彰台を独占した。日本男子の年間1位は2019年の楢崎智亜、21、22年の緒方良行に続き4年連続(20年はコロナ禍で中止)。

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 今シーズンは第1戦からメジディ・シャールック(フランス)→シャールック→楢崎智亜→イ→トビー・ロバーツ(英国)→安楽の順で優勝した。優勝者5人のうちイ、ロバーツ、安楽は初優勝で、シャールックも2、3度目の優勝。いずれも20歳以下で、他にも初めて表彰台を経験した10代選手が複数おり、全体的に若手の活躍が目立った。

20歳のイは第4戦で初優勝。年間ランキングも自己最高2位につけた

18歳のシャールックは開幕戦と第2戦で優勝、第4戦で3位。その他の3戦は欠場したため5位にとどまったが、前半戦に大きなインパクトを残した[写真:© Dimitris Tosidis/IFSC]

 躍動した若手勢の筆頭は今シーズンからW杯に参戦した安楽で、飛びぬけたパワーを有するわけではないが、抜群のテクニック、ムーブを冷静に読み解く力で6大会中4大会で決勝に進出。高い安定感が年間王者に繋がった。最終戦では上位につける楢崎智亜、イ、ロバーツがともに準決勝で敗退し、2位以上で年間王者に立てるというチャンスを優勝でつかんだ。ユースレベルで証明してきた強さを世界のシニアレベルでも発揮した安楽。より強さを見せているのが世界ユース選手権で2連覇しているリードで、ボルダー最終戦の翌日から始まるリードシーズンでの活躍にも期待したい。

年間Vの安楽。パリ五輪出場も現実味を帯びてきている[写真:© Slobodan Miskovic/IFSC]

 3位の楢崎智亜は第5戦終了時点で首位に立っていたが、最終戦でポイントを上積みできず順位を落としてしまった。それでも2016年からの7シーズンで6度も年間表彰台に上がっている実力はさすがと言っていい。また、緒方が6位、楢崎明智が9位で日本勢4人が年間ランキングトップ10入りを果たしたほか、17歳・通谷律が全6戦で準決勝に進出して年間12位、19歳の佐野大輝が第3戦で決勝を戦い年間18位とW杯デビュー組も健闘した。

第3戦で1年ぶり6度目のW杯優勝を遂げた楢崎智亜[写真:© Slobodan Miskovic/IFSC]

安楽宙斗コメント(JMSCA提供)
「ただただ嬉しいです。ワールドカップ参戦1年目で優勝、年間ランキング1位を取れたことは自分でも誇らしく思います。これから始まるリードシーズン、そして2年目、3年目…も継続して良い成績を残せるよう、引き続き頑張ります」

<W杯年間ランキング>

1位:安楽 宙斗(JPN)/3350
2位:イ・ドヒョン(KOR)/3130
3位:楢崎 智亜(JPN)/3000
4位:トビー・ロバーツ(GBR)/2710
5位:メジディ・シャールック(FRA)/2690
6位:緒方 良行(JPN)/2335
7位:チョン・ジョンウォン(KOR)/2275
8位:ハネス・ハン・デュイセン(BEL)/2140
9位:楢崎 明智(JPN)/1945
10位:ヤニック・フローエ(GER)/1750.5
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12位:通谷 律(JPN)/1387.5
13位:藤井 快(JPN)/1278
18位:佐野 大輝(JPN)/997
28位:井上 祐二(JPN)/705
58位:百合草 碧皇(JPN)/120
60位:高田 知尭(JPN)/112.5
81位:関口 準太(JPN)/25.5
101位:小西 桂(JPN)/11.5
106位:杉本 怜(JPN)/10.5
113位:小俣 史温(JPN)/8

※左から順位、氏名、所属国、ポイント
※日本人選手は11位以下も掲載

CREDITS

編集部 / 写真 © Jan Virt/IFSC

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