表彰台に上がった(左から)ハンナ・ミュール、ブルック・ラバトゥ、松藤藍夢

ラバトゥがW杯初優勝 3位・松藤も初表彰台【ボルダーW杯2023第1戦 八王子大会】

 クライミングW杯開幕戦のボルダー第1戦女子決勝が22日、東京都のエスフォルタアリーナ八王子で行われ、米国代表で東京五輪にも出場したブルック・ラバトゥがW杯初優勝を果たした。また松藤藍夢(あのん)が3位に入り、日本勢が自国開催で表彰台に上がった。

女子ファイナリストたち

 ファイナリスト6人はW杯優勝経験のない6カ国の選手で構成された。日本からは松藤が進出し、準決勝1位通過のハンナ・ミュール(ドイツ)らと開幕戦女王の座を争った。第1課題はゴール下のボリュームの扱いに松藤らが苦慮するも、そこをうまく処理した4番手のラバトゥが2アテンプトで、6番手のミュールが1アテンプトで完登する。第2課題はスイングからの着地がなかなか決まらず、さらにその後のランジとコーディネーションムーブの難易度が高く完登者はゼロだった。

第1課題を一撃し首位発進したミュール

第2課題に挑む松藤。この課題完登者は現れなかった

 第3課題は勢いを付けてハリボテに立ち上がる緩傾斜課題。ゾーンまでは達するもその後が続かずにいるとラバトゥが巧みなバランス取りで攻略。1完登で並んでいたミュールは壁からはがされてしまい、ラバトゥが1完登差をつけて首位に浮上した。

ラバトゥが唯一スラブ課題を登り切り首位に浮上

 勢い付いたラバトゥはこちらも難関となった最終課題を的確なポジショニングで進んでいく。完登すれば優勝のラバトゥは強傾斜の中で見事にムーブを繋ぎ切ってトップホールドに到達。歓喜の瞬間を迎え、キス&クライでは笑顔と嬉し涙がこぼれていた。

優勝を決めた瞬間

最高順位は2位だったラバトゥ。2017年からW杯に出場している、名クライマーを両親に持つサラブレッドが念願のW杯初優勝を果たした

 最終的に完登したのはラバトゥとミュールの2人のみで、3位以下は完登ゼロでフィニッシュした。その中でも果敢なトライで観客を沸かせるなどした松藤がゾーン獲得に要したアテンプト数の差で4位以下を上回り、3位で自身初のW杯表彰台に上がった。また2位のミュールは表彰式で名前を呼ばれた際、今月不慮の事故で亡くなったドイツ代表のチームメート、クリストフ・シュウェンガーのアクレディテーションカードを掲げ、哀悼の意を捧げていた。

 明日23日には男子準決勝が11時から、同決勝が17時から行われる。

3位が決まり祝福される松藤

ミュールは亡きチームメートのアクレディテーションカードを掲げた

<決勝リザルト>

1位:ブルック・ラバトゥ(USA)/3t4z 6 6
2位:ハンナ・ミュール(GER)/1t3z 1 8
3位:松藤 藍夢(JPN)/0t3z 0 7
4位:アヤラ・ケレム(ISR)/0t3z 0 9
5位:ラク・チリョ(CHN)/0t3z 0 11
6位:ミア・クランプル(SLO)/0t1z 0 9

※左から順位、氏名、所属国、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

「IFSCボルダーワールドカップ2023八王子」大会特設サイト
大会公式掲示板(競技順・成績速報などはこちらから)

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

※当サイト内の記事・テキスト・写真・画像等の無断転載・無断使用を禁じます。

back to top