松藤が女子決勝に進出 野中、伊藤、森らは敗退【ボルダーW杯2023 第1戦八王子大会】
クライミングW杯開幕戦のボルダー第1戦女子準決勝が22日、東京都のエスフォルタアリーナ八王子で行われ、ドイツのハンナ・ミュールが首位で決勝に進出した。日本勢は4位に入った松藤藍夢が唯一ファイナリストに名を連ね、野中生萌、伊藤ふたば、森秋彩らは準決勝で敗退となった。
21人が進出した女子準決勝は第3課題以外に難関が並び、第1、第2課題は数人のみが完登、第4課題は完登者ゼロに終わった。多くの選手が苦戦し、W杯5連勝中だった世界ランク1位のナタリア・グロスマン(米国)も1完登で決勝に進めなかった。その中で1番手で登場した中国のラク・チリョが第2、第3課題を連続完登してみせて会場を沸かせ、その後ミュールに抜かれるまで首位をキープした。
日本勢は緩傾斜壁に設けられた第1課題を見事なバランス感覚で初完登した森、スイングから着地して両手を連動させるコーディネーションを第2課題で成功させた松藤、第3課題で観客を煽った直後に登り切った野中らが見せ場をつくるも、1人2完登が最多となった準決勝でファイナルに進出できる6位以内をクリアしたのは松藤のみだった。
<敗退選手コメント>
森秋彩(8位)
「今回の結果はなるべくしてなった。決勝に残ってしまったら満足してそこで終わっていた部分もあると思うので、この悔しさをバネに来週末のソウル大会に向けて切り替えていきたい。第2課題は飛び降りた時の2手目のムーブに気づかなかったのと飛距離が足りなかった。第3課題は距離が足りず足の踏み込みも足りなかった。第4課題はシンプルに抑え込む力やボディの力が足りず、課題に対するムーブの解析力もまだまだで、できなかった課題それぞれに反省点があった」
野中生萌(11位)
「1課題目は1トライ目から惜しいトライができたがスリップしてしまった。時間もかかる課題だったがうまく時間内に収まらなかった。2課題目はスイングの仕方が問題で、時間内に一番いい体のポジションを見つけられなかった。4課題目は予選、準決勝を通して一番難しい課題だったと思う。ゴール一手前の小さい緑のホールドがものすごく悪くて、体を引き上げるのが難しかった。ファイナルを逃してしまい残念だがポジティブな面も見られた。動きがわかればできるという感覚があったし、他の選手と比べて自分が強いと感じられる部分がたくさんあった。この結果を引きずらず前向きに次の試合を見据えられている」
伊藤ふたば(13位)
「登れる課題を取りこぼしてしまったり、一撃するべき課題でアテンプトがかかってしまったりなど本当に反省点だらけの大会だったと思う。ただちょっとした修正で決勝に入れるなとは思ったので、今後に生かしていきたい」
関川愛音(16位)
「第1課題はアイディアが足りず、第4課題は疲れていてパワーも出ずに対応できなかった。まだまだ足りないところがたくさんあると思った。結果はボロボロだったけど学ぶことばかりで、次に使えるようなこともたくさんわかったので、練習に生かしていきたい」
<準決勝リザルト>
1位:ハンナ・ミュール(GER)/2t4z 4 5
2位:ラク・チリョ(CHN)/2t4z 4 7
3位:ブルック・ラバトゥ(USA)/2t4z 5 6
4位:松藤 藍夢(JPN)/2t3z 5 6
5位:アヤラ・ケレム(ISR)/2t3z 6 7
6位:ミア・クランプル(SLO)/2t2z 2 2
――――――
7位:ノア・シーラン(ISR)/2t2z 4 4
8位:森 秋彩(JPN)/1t3z 1 3
8位:ナタリア・グロスマン(USA)/1t3z 1 3
10位:ジェシカ・ピルツ(AUT)/1t3z 1 9
11位:野中 生萌(JPN)/1t3z 2 3
12位:ソフィア・ヨコヤマ(SUI)/1t3z 2 5
13位:伊藤 ふたば(JPN)/1t3z 3 3
14位:ソ・チェヒョン(KOR)/1t2z 1 2
14位:久米 乃ノ華(JPN)/1t2z 1 2
16位:関川 愛音(JPN)/1t2z1 1 1
17位:ルシア・デルフェル(GER)/1t2z 2 6
18位:カミラ・モローニ(ITA)/0t4z 0 12
19位:セルマ・エラジ・ミモナ(FRA)/0t3z 0 3
20位:中川 瑠(JPN)/0t3z 0 7
21位:葛生 真白(JPN)/0t0z 0 0
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CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 窪田亮