田渕幹規が5秒46で大会連覇 ユースA日本記録を4度更新【スピードユース日本選手権2023】
スポーツクライミングの第3回スピードユース日本選手権千葉大会(以下SYC)が12日午前、千葉県千葉市の県立幕張総合高校で行われた。カテゴリーは2004、05年生まれのジュニア、2006、07年生まれのユースA、2008、09年生まれのユースBに分かれ、男女それぞれで各世代の優勝者が決まった。
まずは予選が行われ、女子は前回ユースA優勝で今年からジュニアカテゴリーとなる林かりんが首位で決勝トーナメントに進出。一方で昨年のスピードジャパンカップ女王でユースAに属する河上史佳はフライングを犯してしまい失格敗退となった。男子はユースAの上柿銀大(ぎんた)が2本続けて5秒台を計測すると、田渕幹規が5秒68で自らユースA日本記録を更新。前回のユースBでビッグファイナルを戦った2人が1、2位で予選を突破した。
女子決勝は、ユースBは小屋松恋と麦島心花がビッグファイナルに勝ち進み、スタートの合図に素晴らしい反応を見せた小屋松がミスなく進み9秒05で初優勝。ユースAは2本のレースとも安定した登りで勝ち切った金谷春佳が川村鞠采を下してこちらも初の頂点に上がった。ジュニアは優勝候補筆頭の林が最終レースまで駒を進めるも、スタート後に足を滑らせてしまい一気に失速。竹内亜衣が昨年のボルダリングユース日本選手権に続き2種目目のユース女王に輝いた。
男子は田渕が圧巻の登りを見せる。トーナメント初戦で5秒66を残し予選に続いてユースA日本記録を更新すると、続くレースではさらに精度を上げて5秒49。三度目の記録更新となった。ビッグファイナルでは上柿と対峙。カテゴリーをまたいで2年連続で同じ顔合わせとなった一戦は、さらに5秒46へとタイムを縮めた田淵の勝利。昨年に比べると身体つきが変わった印象もある15歳が2年連続で栄冠に輝いた。
ユースBのビッグファイナルは石田観千(みゆき)と大杉金剛(だいや)のマッチアップ。出だしはわずかに大杉が先行し、その後デッドヒートが続いた一戦は石田が7秒84で優勝。大杉との差はわずか0秒03だった。ジュニアは昨年の世界ユース選手権王者・藤野柊斗と真鍋竜の最終決戦に。自己ベストでは有利の藤野だったが、序盤にスリップしてしまい、巻き返そうとしてさらにスリップ。反対に安定してゴールまでの道筋を進んだ真鍋が初優勝を飾った。
<リザルト>
ジュニア男子(2004、05年生まれ)
1位:真鍋 竜(愛媛県立西条高等学校)/6秒39
2位:藤野 柊斗(千葉商科大学付属高等学校)/FALL
3位:山本 恭也(愛媛県山岳・スポーツクライミング連盟)/6秒61
優勝:真鍋竜コメント
「準決勝で勝った時から柊斗選手と勝負するのはわかっていたので、絶対勝ちたいと思っていたのですが、それが結果になってよかったです。応援ありがとうございました」
ジュニア女子(2004、05年生まれ)
1位:竹内 亜衣(千葉市立千葉高等学校)/7秒81
2位:林 かりん(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)/12秒83
3位:鈴木 可菜美(千葉商科大学付属高等学校)/10秒87
優勝:竹内亜衣コメント
「リードジャパンカップが終わってからすごい頑張ってスピードをやってきて、直前はタイムが出なくて不安だったけど、自己ベストも出せてうれしいです」
ユースA男子(2006、07年生まれ)
1位:田渕 幹規(奈良県山岳連盟)/5秒46
2位:上柿 銀大(岩手県山岳・スポーツクライミング協会)/15秒57
3位:谷井 和季(橿原学院高等学校)/6秒13
優勝:田渕幹規コメント
「カテゴリーをまたいでの2連覇とユースA日本記録を4回更新できたことがとてもうれしいです」
ユースA女子(2006、07年生まれ)
1位:金谷 春佳(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)/8秒85
2位:川村 鞠采(岩手県山岳・スポーツクライミング協会)/10秒55
3位:南 有紗(福岡県山岳・スポーツクライミング連盟)/11秒53
優勝:金谷春佳コメント
「自己ベストのタイムを出したら優勝できそうと思っていました。自己ベストではなかったんですけど、いいタイムで優勝できてよかったです」
ユースB男子(2008、09年生まれ)
1位:石田 観千(福岡県山岳・スポーツクライミング連盟)/7秒84
2位:大杉 金剛(岡山県山岳・スポーツクライミング連盟)/7秒87
3位:倉本 心温(岩手県山岳・スポーツクライミング協会)/8秒87
優勝:石田観千コメント
「まずは優勝できてすごくうれしいです。ガチガチの緊張の中でもリラックスして自己ベストを出せて、頑張れたのでよかったです」
ユースB女子(2008、09年生まれ)
1位:小屋松 恋(神奈川県山岳連盟)/9秒05
2位:麦島 心花(愛知県山岳連盟)/9秒83
3位:西村 優杏(無所属)/10秒41
優勝:小屋松恋コメント
「優勝と自己記録更新が目標だったので、どちらも達成できてうれしいです」
「第3回スピードユース日本選手権千葉大会」大会特設サイト
大会公式掲示板(競技順・成績速報などはこちらから)
CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 窪田亮