森秋彩「時間いっぱいまで課題を楽しめた」【リードジャパンカップ2023】決勝後の選手コメント
26日に行われたリードジャパンカップ(以下LJC)の女子決勝は、惜しくも全ラウンド完登は逃したが決勝でも完登に迫る好パフォーマンスを見せた森秋彩が4連覇を成し遂げた。2月上旬のボルダージャパンカップ(以下BJC)と今大会の順位に応じたポイントの合計が最も高かった選手は五輪代表権の懸かる世界選手権の日本代表に内定する予定だったが、森と伊藤ふたばが同ポイントで並んだため、その権利は4月のボルダー&リード(コンバインド)ジャパンカップ(以下CJC)で上位のほうに与えられることとなった。以下、女子決勝を戦った選手たちのコメント一覧。
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森秋彩(優勝)
「今はとにかく(決勝の)スタートが止まったことにすごく安心していて、落ちたことは悔しいけど、一応出し切れたし、目標としていた4連覇を果たすことができてうれしい。最後のトリだったので、あそこでポロって落ちたら観ている人に申し訳ないと思ったし、個人的にも上部を触りたかった。時間いっぱいまで課題を楽しむことができて良かった。
(落下したところを振り返ると?)直前のアンダーでレストを挟んでから挑もうと思っていた。自分はシェイクを挟むと割と回復するが時間がなく一気に突き進んだら、最後に持った右手が悪過ぎて取り切れなかった。(取り組んでいるパワフルな動きの練習成果は出た?)1手目だったり、足が届かずに思い切り両足で着地したところだったり、あとはかぶりに入ってすぐの出っ張っている紫のホールド2つのところはコンプレッションを効かせないとスルりと落ちてしまうのでそこだったり。上部も一手一手遠かったし、全体的にボルダリングでのパワフルな練習が生かせたんじゃないかなと思う。以前は難しいと重心を上げてしまう癖があったが最近は距離を出すために一度脱力してから一気に体を上げる練習をしている。その時の足の蹴るタイミングや、体を振るタイミングが染み付いていたので、それを瞬時に生かせたのが良かったと思う。
(伊藤選手とポイントが並んだことで世界選手権の代表内定はCJCに持ち越しとなったが?)もともとCJCには出ようと思っていた。そこで代表になれたとしてもなれなかったとしても、そうなるべくしてなったと受け入れる準備はできているので、ただひたすら毎日を大切に練習していきたい」
谷井菜月(2位)
「予選から決勝までミスすることなく登れてホッとしている。決勝のスタートは落ちたと思ったが本当にギリギリのところで止めることができた。スタートで極度の緊張をしていたので、スタートできたことの安心からその後はリラックスした登りができたと思う。4月にはCJCがあるので、まずはそこで結果が残せるように頑張りたい」
野中生萌(3位)
「表彰台は想像以上で、うれしいの一言。本当にスタートからストレスのある課題で、その中でも割とテンポ良く、上まで自分のリズムを崩さずに進めた。特に最初の5手あたり、スタートして左に移っていく手前までに強いストレスを感じた。ちょっと遠いなと思わせる距離感だったり、届いても足がホールドではなくハリボテで滑ってしまいそうだったり。手堅く行きたいんだけど、手堅く行き過ぎてもミスを誘発されそうな、下部はそういう内容だった。明らかに持久力が足りていないところが私の大きな改善点だったが今大会は全ラウンドを通してボルダーチックというよりも前腕の持久力が叩かれるような内容だったのでそれに対して結果を残せたことはすごくうれしい。(持久力が上がったことで)以前に比べると5手は間違いなく伸びた気がする」
伊藤ふたば(4位)
「BJC後に中々コンディションが上がらず不安のままLJCを迎えたがリードのW杯に優先的に出場できる順位だったのでとりあえず一安心。決勝は下部からずっと悪くて、紫のリングのホールドも思っていたより保持感が悪かった。下部からずっと落ちそうな課題だと感じた。距離感も準決勝に比べるとあったのかなと思う。準決勝も含めて下部でガタガタしてしまい良い登りができたとは言い切れないが、その中でも出し切れるような持久力やムーブの対応力が段々身に付いてきていると感じた。ここはどうするんだろう?といった少し悪いムーブが続いてきた時に、戻ったりせずにポロって落ちてしまうことが多かったが今回はしっかりと粘り、次へとどんどん進んでいく力がついてきているのかなと思っている。(世界選手権代表内定はCJCに持ち越しとなったが?)あと2手出せばSランクに決まっていたので本当に悔いが残る結果となってしまったが、CJCで優勝して世界選手権の出場枠を取りたい」
CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 窪田亮