森秋彩「悔しい想いをできたほうが収穫はある」【クライミングW杯盛岡大会】

 22日に行われたクライミングW杯盛岡大会(コンバインド)の女子決勝は、日本の森秋彩がボルダリング、リードいずれも90ポイント以上の高パフォーマンスで優勝。2024年パリ五輪の暫定フォーマットを制した。以下、決勝を戦った日本人選手たちの主なコメント。

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森秋彩(優勝)
「目標はリードで完登しての優勝だったので悔しさはあるが、1番高い順位を取れたのはうれしい。完登したら満足してしまった部分もあると思うので、こうして悔しい想いをできたほうが収穫はあるのかなと思う。リードの最後は単純に持ち手が悪かったし、足を少し迷ってしまい、もごもごしてしまう悪い癖が出てしまった。まだまだオンサイト能力が足りないこともはっきりしたので、そこにフォーカスしてこれからも練習していきたい。

 ボルダリングは横にリーチがあり足を振って置く第1課題、ランジの第2課題が苦手で、ゆるい傾斜の第3課題、持久力系でリードの要素があった第4課題は確実に落としたかった。これまで苦手意識が強過ぎて思い切りできないことがあったが、今回のルールではアテンプトのミスが0.1ポイントのみの減点だったので失敗を恐れず攻めたトライができた。少しずつ良くなる自分の長所もあり、第1、第2課題完登に繋がった。来シーズンはまずボルダリングとリードのジャパンカップで日本代表権を得て、大学に支障がないくらいW杯に出場してパリ五輪に近づいていきたい」


野中生萌(5位)
「このフォーマットを3日間戦うのは初めてだったのですごく良い経験になった。ボルダリングで思うような結果を残せなかったのは悔しいが、最終日の最後のリードで気持ちを切らさず自分の力を出し切れた。ボルダラーとしてはボルダリングで差を付けたいというのが正直なところ。一撃の価値が低かったり、1トライのミスの減点が0.1ポイントしかないところに違和感はあったが、もちろん登れなかったのは私なので、敗因は自分自身にある。今回感じたのは、ボルダリングで私が求めているフィジカル要素、高レベルで高出力を出すという“強くなっていく”クライミングと、2種目複合の大会で求められるクライミングは違うということ。もしもパリ五輪で同じものを求められるとしたら、トレーニングの方法を変えないといけない」

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谷井菜月(6位)
「(今月16日まで行われていた韓国・ソウルでの)アジア選手権でも同じようなフォーマットを経験したが、やはりハードな日程だった。昨日の準決勝はびっくりするくらいボルダリングの成績が良かった。決勝ではうまくいかなかったが、その後のリードで出し切れたのは良かった。ボルダリングの苦手課題をなくして、得意なリードはもっともっと高めていきたい。(決勝の日本勢3人は近い世代だったが)昔からユースの同じカテゴリーで頑張ってきた。これからも一緒に高め合いながら頑張っていきたい」


伊藤ふたば(7位)
「地元開催でたくさんの方が駆けつけてくれて、たくさんの応援をもらって力になった。今シーズン最後の大会を良い形で終わりたかったが、うまくはいかず、今はすごく悔しくて、もっと強くなりたいという気持ち。ボルダリングで決め切る力や、リードでどんなタイプの課題が来ても対応できる力がまだまだ必要。このフォーマットを経験して足りない部分がたくさん見えてきた。パリ五輪に照準を合わせてこれからも頑張っていきたい」

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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