楢崎智亜がリード完登で逆転3冠! 日本勢4人が2種目複合の表彰台に【クライミングアジア選手権2022】
クライミングアジア選手権(韓国・ソウル)は大会最終日となった16日、コンバインド(2種目複合)の男女決勝を行い、楢崎智亜が男子で優勝し大会3冠に輝いた。同2位に藤井快、女子2位に谷井菜月、同3位に伊藤ふたばが入り、日本勢4人が表彰台に上がった。
2024年パリ五輪での実施種目の1つ、ボルダリングとリードの2種目複合。15日に準決勝が行われ、決勝に進んだ上位8人のうち半数以上の男子5人、女子4人を日本勢が占めた。決勝はボルダリング、リードの順に行い、成績に応じた獲得ポイントの合計で順位を競う。
男子は今年のボルダリングW杯で年間トップ3の緒方良行、楢崎、藤井が第1種目の3課題目を終えて全完登するなど上位を争いをけん引。最終第4課題は年間王者の緒方がフィジカル能力の高さを発揮して一撃。首位で折り返した緒方は全完登で得た100ポイントからアテンプトの失敗1回につき0.1ポイントを減点されて98.7ポイント。最終課題で2つのゾーン獲得にとどまった藤井は80.6ポイントで2位、1つのゾーン止まりだった楢崎は77.3ポイントで3位となった。
一定の高度から一手進むごとにポイントが付いていくリード。ボルダリングで優位に立った緒方は、途中で体力を消耗し過ぎたのか中盤32手目を取りに行ったところで失敗し、40.1ポイントと物足りない数字に終わってしまう。すると直後に登る藤井がゴール取りの高度42+で95.1ポイントを手にし、合計ポイントで緒方を上回ることに成功する。さらに7番手で登場した楢崎はハイペースで上部まで進むと、一息ついてから最後の難所も攻略して完登。100ポイントを加え、藤井の175.7ポイントを凌ぐ177.3ポイントまで達した。そのまま上位の顔ぶれは変わらず、楢崎が1位、藤井が2位でフィニッシュし、4位に本間大晴、5位に吉田智音、6位に緒方が入った。5位の吉田は準決勝首位、決勝も楢崎に続くリードでの完登をマークしたが、ボルダリングでポイントを稼げず、表彰台には届かなかった。
女子では韓国のソ・チェヒョンがリード単種目に続く大会2冠を達成した。ボルダリングは第3課題で唯一2つ目のゾーンを攻略するなどした青柳未愛が首位に立ったが、リードで完登したソがボルダリング3位から順位を上げて頂点に立った。同じくリードで完登した谷井菜月はソに0.9ポイント差とわずかに及ばず2位、伊藤ふたばが3位で表彰台に立った。青柳は5位、小池はなは6位だった。
これでアジア選手権は全日程が終了。日本は楢崎がボルダリング、リード、コンバインドで、伊藤がボルダリングで優勝するなど金4、銀4、銅3で計11個のメダルを獲得。開催国・韓国の計7個を上回り国別最多のメダルを手にした。上々の成績を残した日本人選手の多くは、今月20~22日に行われるW杯盛岡大会(コンバインド)に臨む。
<決勝リザルト>
[男子]
1位:楢崎 智亜(JPN)
177.3pt(B 77.3/L 100)
2位:藤井 快(JPN)
175.7pt(B 80.6/L 95.1)
3位:イ・ドヒョン(KOR)
167.2pt(B 77.1/L 90.1)
4位:本間 大晴(JPN)
143.9pt(B 58.8/L 85.1)
5位:吉田 智音(JPN)
139.1pt(B 39.1/L 100)
6位:緒方 良行(JPN)
138.8pt(B 98.7/L 40.1)
7位:チョン・ジョンウォン(KOR)
116.0pt(B 55.9/L 60.1)
8位:レザー・コラサンギアン(IRI)
45.4pt(B 5.4/L 40)
[女子]
1位:ソ・チェヒョン(KOR)
177.5pt(B 77.5/L 100)
2位:谷井 菜月(JPN)
176.6pt(B 76.6/L 100)
3位:伊藤 ふたば(JPN)
158.0pt(B 77.9/L 80.1)
4位:エラン・レカビ(IRI)
152.1pt(B 77.0/L 75.1)
5位:青柳 未愛(JPN)
145.5pt(B 80.4/L 65.1)
6位:小池 はな(JPN)
138.6pt(B 58.6/L 80.0)
7位:ラク・チリョ(CHN)
118.1pt(B 53.0/L 65.1)
8位:オ・ガヨン(KOR)
113.5pt(B 33.5/L 80.0)
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9位:倉 菜々子(JPN)
CREDITS
文 編集部 / 写真 JMSCA