W杯初優勝を果たした百合草(中央)。2位には樋口(左)が入った

百合草碧皇が初優勝! 樋口との日本勢ワンツー達成【リードW杯2022第7戦 ジャカルタ大会】

 2022シーズンのクライミングW杯リード最終第7戦が25、26日、インドネシアのジャカルタで行われ、男子で百合草碧皇が1位、樋口純裕が2位に入り、日本勢がワンツーフィニッシュを果たした。女子はヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)が今季5勝目を挙げた。

 日本勢は25日の予選から好調で、緒方良行、吉田智音の首位タイを筆頭に男女12人全員が翌日の準決勝に進出。今度は西田秀聖が首位に立つなど男子は日本勢4人が上位を独占、女子も2人が決勝に駒を進めた。

 決勝は最上部のセクションで近年の国際大会にはない男女共通のルートが設けられた。男子決勝は雨天の中で進行。巨大なハリボテ上を進む中盤からのルートが難関となり、4選手が競技を終えて28手目に達したセバスチャン・ハレンケ(ドイツ)が首位に立った。

決勝ルートに挑む樋口。第1戦から徐々に調子を上げた30歳のベテランが最終戦で表彰台にたどり着いた

 5番手から日本勢が登場。昨季年間3位の樋口は28手目を捉えたものの持ち手が外れてしまい落下。ハレンケと同じ高度で並び、準決勝順位の上だった樋口が首位に浮上した。続いて登場した百合草はペースを落とさずに上昇していくと、足が切れる28手目もしっかりと保持。29手目で力尽きるも、最高到達点を更新した。その後の吉田、西田がいずれも27+で終えたことで百合草の優勝が決定。20歳の有望株が国内外を通じてシニアの大会初の頂点に輝いた。今季尻上がりに調子を上げていった樋口は2位。W杯では昨季最終戦での優勝以来となる表彰台に上がった。西田は4位、吉田は5位で惜しくもメダルを逃した。

今年6月に行われたインスブルック大会での2位を上回り、金メダルを手にした百合草。来年以降のさらなる活躍に期待したい

 一方の女子決勝はガンブレットが圧巻のパフォーマンス。最終面の男女共通ルートをテクニカルに攻略し、最後は軽やかな動きでトップホールドに到達。唯一の完登で3大会ぶり今季5度目の優勝を果たした。日本勢では中川瑠、谷井菜月が2大会連続で決勝を戦い、中川は7位、谷井は8位だった。

男女共通のルートを進むガンブレット。決勝でただ一人完登を記録した

女子表彰台=(左から)ソ・チェヒョン(韓国)、ガンブレット、ミア・クランプル(スロベニア)

 今季最終戦を終え、リードのW杯年間ランキングも確定。男子の首位をキープしていた本間大晴は今大会で12位にとどまったため、スロベニアのルカ・ポトカに年間王者の座を許した。ポトカの3860ポイントに対し、本間は3835ポイントで、その差はわずか25ポイント。初の頂点は逃したものの、7戦中5戦で決勝に進出するなど飛躍のシーズンとなった本間は自己最高の年間2位でフィニッシュした。女子はガンブレットが2年連続5度目の戴冠となった。

<決勝リザルト>

[男子]
1位:百合草 碧皇(JPN)/29
2位:樋口 純裕(JPN)/28
3位:セバスチャン・ハレンケ(GER)/28
4位:西田 秀聖(JPN)/27+
5位:吉田 智音(JPN)/27+
6位:イ・ドヒョン(KOR)/27+
7位:ルカ・ポトカ(SLO)/25+
6位:ラヴィアンディ・ラマダン(INA)/22+
―――――
9位:緒方 良行(JPN)※準決勝進出
12位:本間 大晴(JPN)※準決勝進出

[女子]
1位:ヤンヤ・ガンブレット(SLO)/TOP
2位:ソ・チェヒョン(KOR)/40
3位:ミア・クランプル(SLO)/35+
4位:ハンナ・ミュール(GER)/34+
5位:ラウラ・ロゴラ(ITA)/34+
6位:ヴィータ・ルーカン(SLO)/34+
7位:中川 瑠(JPN)/29+
8位:谷井 菜月(JPN)/19+
――――――
9位:小池 はな(JPN)※準決勝進出
10位:大田 理裟(JPN)※準決勝進出
12位:小武 芽生(JPN)※準決勝進出
22位:柿崎 未羽(JPN)※準決勝進出

※左から順位、氏名、所属国、決勝成績(高度)
※同高度の場合は前ラウンド順位の高い選手が上位

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編集部 / 写真 © LenaDrapella / IFSC

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