森秋彩がW杯2連勝! 残り30秒からの“ギアチェンジ”で全完登果たす【リードW杯2022第6戦 エジンバラ大会】
クライミングW杯リード第6戦の男女決勝が11日(日本時間12日)、イギリス・エジンバラで行われ、前週のコペル大会で初優勝していた森秋彩が予選2課題、準決勝1課題、決勝1課題すべてを完登して2連勝を遂げた。
18歳の森が2週連続で頂点に立った。現地時間10日の予選は6人もの選手が2課題とも完登。森もその中の1人に名を連ねると、同11日の準決勝でも最後まで登り切ってソ・チェヒョン(韓国)と並び首位をキープした。決勝は52手あるロングルートが敷かれ、多くの選手が終盤にたどり着けない展開が続く。その状況を打破したのが東京五輪金メダリストのヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)。レストを挟みながらペースを落とさずに進み、暫定で首位に立っていた谷井菜月の高度38+から10手以上伸ばして完登した。
直後の7番手に森が登場。ガンブレットの完登は歓声でわかっていたという森は、優勝には完全攻略しかない場面でスタートすると、時には片手2本指で全身を支えるなどして高度を上げていった。44手目に差し掛かったところで残り30秒しかなくなったが、そこから一気にギアチェンジ。ペースを上げてトップホールドまでのおよそ8手を高速で攻略し、残り数秒で最後のクリップを決めた。ガンブレットとは同じ完登で並んだものの準決勝で順位の高かった森が首位に浮上。最終8番手のソにも完登すれば優勝の可能性は残っていたが、42手目付近でタイムアップを迎えた。終盤に圧巻の登りを見せた森は、観客からの大きな拍手に包まれてW杯2連勝を果たした。森とともに決勝を戦った日本勢の谷井は4位、中川瑠は7位だった。
男子は決勝でただ1人完登したジェシー・グルーパー(米国)が優勝。タイムアップとほぼ同時に最終クリップを決める劇的な完登で、今季2度目の優勝を飾った。日本勢は2人が決勝に進出し、樋口純裕が5位、緒方良行が8位だった。開幕から5戦連続で決勝を戦っていた本間大晴は10位で惜しくも準決勝敗退となったが、年間ランキングでは2位のルカ・ポトカ(スロベニア)と105ポイントの僅差で首位を保っている。
次回W杯はインドネシア・ジャカルタで今月24~26日に開催予定。スピード、リードの今季最終戦が行われる。
<決勝リザルト>
[女子]
1位:森 秋彩(JPN)/TOP
2位:ヤンヤ・ガンブレット(SLO)/TOP
3位:ソ・チェヒョン(KOR)/42+
4位:谷井 菜月(JPN)/38+
5位:ナタリア・グロスマン(USA)/38+
6位:ジェシカ・ピルツ(AUT)/28+
7位:中川 瑠(JPN)/28+
8位:エリスカ・アダモフスカ(CZE)/19+
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10位:大田 理裟(JPN)※準決勝進出
15位:伊藤 ふたば(JPN)※準決勝進出
38位:柿崎 未羽(JPN)
[男子]
1位:ジェシー・グルーパー(USA)/TOP
2位:ルカ・ポトカ(SLO)/31+
3位:トビー・ロバーツ(GBR)/30+
4位:シュテファン・シェルツ(AUT)/30+
5位:樋口 純裕(JPN)/25+
6位:サッシャ・レーマン(SUI)/25+
7位:コリン・ダフィー(USA)/22
8位:緒方 良行(JPN)/22
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10位:本間 大晴(JPN)※準決勝進出
11位:百合草 碧皇(JPN)※準決勝進出
13位:吉田 智音(JPN)※準決勝進出
20位:西田 秀聖(JPN)※準決勝進出
CREDITS
文 編集部 / 写真 © LenaDrapella / IFSC