男子表彰台=(左から)マキシミリアン・ミルン、ヤニック・フローエ、楢崎智亜

復帰戦の楢崎智亜が男子3位【ボルダリングW杯2022第5戦 ブリクセン大会】

 クライミングW杯ボルダリング第5戦の男子決勝が12日(日本時間13日)、イタリア・ブリクセン(ブレッサノーネ)で行われ、コロナ陽性から復帰した日本の楢崎智亜が3位で表彰台に上がった。

 決勝には10日の予選、12日の準決勝を勝ち抜いた楢崎明智、楢崎智亜、緒方良行らが進出。前日の女子決勝に続き日本勢がファイナリストの半分を占めた。緒方は開幕から5戦連続で決勝に駒を進めた。

 決勝第1課題は前半のコーディネーションムーブや腕で突っ張る形でのゴール取りにアテンプトを要する内容で、全員が完登したものの一撃はマキシミリアン・ミルン(イギリス)のみ。キャンパシングで勢いをつけて進むなど上半身に負荷のかかる第2課題でも、ミルンが残り2秒で唯一となる完登を記録。緒方や楢崎智が最終ムーブにミスした中で決め切った21歳の新鋭が1完登差をつけて首位を維持した。

自身初のW杯表彰台に上がったミルンとブリクセンの観衆

 続く第3課題ではヤニック・フローエ(ドイツ)が持ち前のパワーを発揮してただ一人攻略に成功。ミルンを抜いて首位に浮上する。1完登にとどまる日本勢は3位の楢崎智を筆頭に最終課題での逆転に望みを託したが、さらに難度の増した第4課題は終盤までたどり着けない展開となり、最終競技者のフローエは登る前に優勝が確定。ウイニングクライムは失敗したものの、21歳は初のW杯優勝を笑顔で喜んだ。日本勢は楢崎智の3位が最高で、緒方は5位、楢崎明は6位でフィニッシュ。緒方は今季初めて表彰台を逃す結果となった。

2019年の世界選手権八王子で銅メダルを獲得していたフローエ。W杯で初めて頂点に立った

コロナ陽性からの復帰初戦で表彰台に上がった楢崎智亜

 今季のボルダリングW杯は今月22~24日に行われるインスブルック大会で最終戦を迎える。年間ランキングでは緒方が1位、楢崎智が2位、藤井快が3位につけていて、日本勢同士による年間王者争いにも注目が集まる。 

<決勝リザルト>

1位:ヤニック・フローエ(GER)/2t4z 5 9
2位:マキシミリアン・ミルン(GBR)/2t3z 6 9
3位:楢崎 智亜(JPN)/1t4z 4 9
4位:イ・ドヒョン(KOR)/1t4z 4 22
5位:緒方 良行(JPN)/1t4z 7 13
6位:楢崎 明智(JPN)/1t3z 2 8
――――――
9位:藤井 快(JPN)※準決勝進出
14位:川又 玲瑛(JPN)※準決勝進出
16位:井上 祐二(JPN)※準決勝進出
35位:土肥 圭太(JPN)
43位:高田 知尭(JPN)
51位:山口 賢人(JPN)

※左から順位、氏名、所属国、決勝成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

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編集部 / 写真 © Lena Drapella/IFSC

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