緒方、川又、野中がメダル獲得 日本男女3人が表彰台【ボルダリングW杯2022第3戦 ソルトレイクシティ大会】
米国・ソルトレイクシティで現地時間21、22日、クライミングW杯ボルダリング第3戦が行われ、男子で緒方良行が2位、川又玲瑛が3位、女子で野中生萌が3位に入った。
21日の予選を5人が通過していた日本男子は、翌日の準決勝で緒方が3位、川又が6位となり、緒方は昨年から5大会連続、川又は3年ぶり2度目の決勝進出を果たした。世界選手権も含めるとボルダリングの国際大会10戦連続で決勝に進み、いずれも表彰台に上がっていた楢崎智亜は7位敗退。記録はストップした。
決勝の第1課題は全員が完登。2課題目で緒方が唯一となる連続フラッシュを決めて首位に浮上する。緩傾斜壁の第3課題はゴール取り時に繊細なバランス感覚が求められ、各選手ともアテンプトを費やす展開に。先頭のメジディ・シャールック(フランス)、2番手の川又が4トライ目に攻略し、3連続完登で緒方にプレッシャーをかけると、その緒方はスタートで安定したポジションを取れず苦戦。4つのアテンプトを重ねてしまう。序盤を切り抜けると見事にトップホールドを捉えたが、完登に要したアテンプト数の差でシャールックに逆転を許した。
最終課題を2トライ以内に完登すると優勝のシャールックは、強度の高いこの課題を軽々と登り切って条件クリア。パリ五輪期待の18歳がW杯初優勝を飾り喜びを爆発させた。フィジカル能力の高さを発揮して最終課題も完登した緒方はW杯4大会連続表彰台の2位。粘りのクライミングと高いポテンシャルで会場を沸かせた18歳の川又はW杯出場5戦目にして初の表彰台にたどり着いた。
女子では準決勝で6位に滑り込んだ野中が今季初の決勝に進出。第1課題はゾーン獲得にとどまるも、時折笑顔を見せるなど楽しんでいる様子で、第2、第3課題と完登を重ねる。4位で迎えた最終課題は負荷の強い各ムーブを安定して繰り出し会心の一撃。前日に25歳の誕生日を迎えていた野中が逆転で表彰台に上がった。優勝はただ一人全完登した世界ランク1位のナタリア・グロスマン。2位にはブルック・ラバトゥが入り、地元・米国勢がワンツーフィニッシュを遂げた。
<決勝リザルト>
[男子]
1位:メジディ・シャールック(FRA)/4t4z 9 6
2位:緒方 良行(JPN)/4t4z 11 10
3位:川又 玲瑛(JPN)/3t4z 14 12
4位:ニコライ・ウズニック(AUT)/2t3z 8 10
5位:ヤニック・フローエ(GER)/1t4z 1 10
6位:ヤコブ・シューベルト(AUT)/1t2z 1 6
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7位:楢崎 智亜(JPN)※準決勝進出
12位:土肥 圭太(JPN)※準決勝進出
14位:藤井 快(JPN)※準決勝進出
21位:高田 知尭(JPN)
27位:山口 賢人(JPN)
29位:井上 祐二(JPN)
43位:吉田 智音(JPN)
[女子]
1位:ナタリア・グロスマン(USA)/4t4z 9 9
2位:ブルック・ラバトゥ(USA)/3t4z 5 14
3位:野中 生萌(JPN)/3t4z 9 18
4位:ジェシカ・ピルツ(AUT)/3t4z 16 19
5位:フランツィスカ・シュテーラー(AUT)/1t3z 1 7
6位:カミラ・モローニ(ITA)/1t3z 2 21
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9位:伊藤 ふたば(JPN)※準決勝進出
15位:倉 菜々子(JPN)※準決勝進出
21位:青柳 未愛(JPN)
39位:松藤 藍夢(JPN)
45位:小池 はな(JPN)
CREDITS
文 編集部 / 写真 JMSCA