ユースA女子の日本新記録を樹立した林かりん(中央)

林かりん、三田歩夢、田渕幹規が年代別日本新でV【スピードユース日本選手権2022】

 スポーツクライミングの第2回スピードユース日本選手権亀岡大会が6日午前、京都府亀岡市の「サンガスタジアム by KYOCERA グラビティリサーチ」で行われ、年代カテゴリー別の男女優勝者6人が決定した。

 女子はユースAの林かりんが同カテゴリーにおける日本新を樹立し、初優勝を飾った。このカテゴリーにはユースB女子日本記録を持つ河上史佳も出場。ジュニア、ユースBを含めた女子予選では林と河上のみが8秒台を計測した。

 決勝は互いに初戦を突破し、ビッグファイナルで対峙。同じ鳥取県勢で普段から練習をともにしているという2人の一戦は、互いにミスなく進む好レースとなり、最終的に林が先にゴールパッドを叩いた。記録は伊藤ふたばの持つ8.65秒を更新する8.40秒のユースA女子日本新で、16歳は笑顔でガッツポーズを繰り出した。河上も8.81秒で自己ベストを更新した。

優勝決定戦で自己新、ユースA女子日本記録をマークして笑顔の林

 女子のジュニアでは前回ユースA女王の鈴木可菜美が相原麻菜美を抑え、カテゴリーをまたいでの連覇を達成。ユースBでは関川愛音が藤村侃奈との0.09秒差のデッドヒートを制して大会初優勝に輝いた。

 一方の男子では、ジュニアで前回ユースA王者の藤野柊斗が2位以下に1秒以上の差をつけて予選を首位通過する。藤野は決勝トーナメント初戦で5秒台に迫る6.17秒をマーク。優勝決定戦に駒を進めたが、リードを保ったレース終盤にフォールしてしまい、その間に本明優哉が逆転して頂点に立った。

 ユースA、ユースBではビッグファイナルで日本新が誕生した。ユースAでは予選1、2位だった三田歩夢と谷井和季が決勝トーナメントでも勝ち残り最終決戦で相まみえる。レースは三田が目覚ましい登りで6.20秒を計測。竹田創の持つ6.44秒のユースA男子日本記録を塗り替え、前回3位からの躍進を遂げた。

ユースA男子日本新で優勝した三田

ユースB男子日本新で優勝した田渕

 ユースBでは予選首位だった田渕幹規が最終レースでさらにタイムを縮め、前出の谷井が持っていた6.58秒のユースB男子日本記録を超える6.53秒でフィニッシュ。男子は各カテゴリーで新王者が誕生した。

 ユースA、ジュニアの選手たちはこの後行われる第4回スピードジャパンカップにも出場予定。競技は14時20分の女子予選からスタートする。

 

<リザルト>

ジュニア男子(2003、04年生まれ)
1位:本明 優哉(岩手県山岳・スポーツクライミング協会)/7.60秒
2位:藤野 柊斗(千葉商科大学付属高等学校)/FALL
3位:阿部 央彦(愛媛県山岳・スポーツクライミング連盟)/7.20秒

優勝:本明優哉コメント
「岩手県に住んでいるので、寒さでなかなか練習できないままこの大会に出場したが、優勝できてよかった。春から就職するのでクライミングとの両立が難しくなると思うが何とか頑張っていきたい」

ジュニア女子(2003、04年生まれ)

1位:鈴木 可菜美(千葉商科大学付属高等学校)/10.20秒
2位:相原 麻菜美(愛媛県山岳・スポーツクライミング連盟)/15.56秒

優勝:鈴木 可菜美コメント
「優勝できてほっとしている。世界ユースで表彰台に乗れるくらいにタイムを縮めていきたい」

ユースA男子(2005、06年生まれ)

1位:三田 歩夢(船橋市立船橋高等学校)/6.20秒
2位:谷井 和季(橿原市立光陽中学校)/FALL
3位:古屋 生吹(岩手県山岳・スポーツクライミング協会)/6.93秒

優勝:三田歩夢コメント
「この大会に向けて練習してきたがなかなかうまくいかず、不安な気持ちを抱えて挑んだが、しっかり自分のすべてを出すことができで良かった。(ユースB男子日本記録については?)幻かと思いました。自分がそういう立場になれることをうれしく思う。今後はいつも通り何事にも本気で取り組んで、さらに上を目指して頑張っていきたい」

ユースA女子(2005、06年生まれ)

1位:林 かりん(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)/8.40秒
2位:河上 史佳(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)/8.81秒
3位:竹内 亜衣(千葉市立千葉高等学校)/9.66秒

優勝:林かりんコメント
「去年は優勝できず悔しい思いをしたので、今年は優勝したいと1年間頑張ってきた。優勝できてとてもうれしい。まさか自己新とユースA記録更新ができると思っておらず、ついガッツポーズが出てしまった。まずは代表になれたので、W杯などで表彰台に乗りパリ五輪を目指せる選手になりたい」

ユースB男子(2007、08年生まれ)

1位:田渕 幹規(奈良県山岳連盟)/6.53秒
2位:上柿 銀大(無所属)/8.53秒
3位:三宅 祐希(岡山県山岳・スポーツクライミング連盟)/10.45秒

優勝:田渕幹規コメント
「素直にうれしい。(ユースB男子日本記録について)予選の登りでは出ないと思っていた。記録は狙っておらず、優勝だけを狙っていた。世界ユースに出場できると思うので、そこで表彰台や優勝ができるように頑張りたい」

ユースB女子(2007、08年生まれ)

1位:関川 愛音(八戸市立湊中学校)/9.46秒
2位:藤村 侃奈(奈良県山岳連盟)/9.55秒
3位:麦島 心花(愛知県山岳連盟)/13.01秒

優勝:関川愛音コメント
「決勝でも自己ベスト更新ができず悔しいが、優勝できたことはうれしい。今後はボルダリングとリードで世界ユースに行けるように頑張りたい」

※左から氏名、所属先、成績
※成績は、1・2位はビッグファイナル(優勝決定戦)、3位はスモールファイナル(3位決定戦)での記録
※ユースB男子の3位は決勝トーナメント1回戦の記録

「第2回スピードユース日本選手権亀岡大会」大会特設サイト
大会公式掲示板(競技順・成績速報などはこちらから)

CREDITS

編集部 / 写真 窪田亮

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