倉菜々子「少しはお父さんに恩返しできたのかなと思う」【ボルダリングジャパンカップ2022】女子決勝後の選手コメント

 6日に行われた第17回ボルダリングジャパンカップ(以下BJC)の女子決勝は、21歳の倉菜々子が全4課題を完登して初優勝を遂げた。以下、決勝を終えたファイナリスト6人のコメント一覧。

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倉菜々子(優勝)
「優勝を目指してこのBJCまでに調子を上げていた。決勝は4課題中3つが自分の得意であるダイナミックな課題で、良いイメージで課題を触れたことが優勝に繋がったと思う。(出身地である愛知県が隣にあるが家族の応援は?)お父さんが来てくれている。クライミングを始めた時から遠征などずっとお父さんに連れていってもらっているので、BJCで優勝できて少しは恩返しできたのかなと思う。

(昨年の「Top of the Top」から動きのキレが増したように思えるが)その前あたりから自分の登りに向き合うようになって、それがキレに繋がっていると思う。それまでは感覚で登ってしまい、自分がどういう登りをしているのかうまく説明できないことが多かったので、練習から1課題1課題で動きを考えるようになった。今後は4月から始まるW杯シーズンに向けてさらに調子を上げて、初めての決勝に残れるように頑張りたい。長期的な目標としては2種目複合でのパリ五輪出場を目指したい」


野中生萌(2位)
「完登できた課題はトライ回数を少なく登れたので、そこは成長を感じられて素直にうれしく思う。昨日感じた普段と大会との感覚のズレを修正できて、トライ前からどういう姿勢で臨むのかはっきりしたことがその要因だと思う。(大会前に話していた「男子化計画」と今回の成長は結び付く?)パワー系や押し切る能力が上がっていることはもちろんあると思うが、もっと高強度で、何回でも何日でも打ち込んでやっとできるような課題に取り組んでいるので、(トレーニングより)レベルの下がった課題でトライ回数少なく登れるようになったのはそれもある思う」


伊藤ふたば(3位)
「優勝を狙っていたので、昨年に続き3位は悔しさがある。ただ昨年とは違い後半で立て直して暫定6位から表彰台に届くことができたのは苦手を練習してきたことでの成長を感じられる部分だった。今大会は試合勘を取り戻したり、自分に何が足りないのかをあらためて見つけられたりする機会になった。ゴール取りで落ちてしまうなど最後の一手を決め切る能力が課題なので、W杯開幕までに修正したい。普段の練習から少ないトライ回数で悪い課題を完登できるよう意識的に練習していくことが大事だと感じている」


森秋彩(4位)
「2連覇を狙っていたので表彰台にも乗ることができず悔しいが、これから強化していくべきことが明確になった。ずっとダイナミックな動きが苦手で、今大会に向けては今までより対策してきたつもりでいたがやっぱりまだ敵わなかった。今後は筋トレなど壁以外でのトレーニングにも視野を広げていこうと思う。(決勝課題はホールド間の)距離があって身長の低い自分には不利だったと思うが、それでも他人と違うムーブをチョイスして攻略できたシーンもあったので、小さいなりにムーブを考えられたことはすごく良かった。自分はリードを得意としているので、この悔しさを引きずらずに切り替えて来週のリードジャパンカップでは今度こそ2連覇できるように頑張りたい」


青柳未愛(5位)
「目標としていた決勝に行くことができてすごくうれしかった。初めての決勝で自分がどれだけ登れるのか不安や緊張もあったが、とにかく楽しむことを忘れずに挑んだ。予選、準決勝では調子も良く、決められるところはしっかりと決められたので良かったと思う。決勝は実力不足で足りないところも多くあり順位を落としてしまったものの、決勝に残れたことで成長を感じ自信も付いた。今大会での反省点を改善し、世界でも戦っていけるように準備していきたい」


菊地咲希(6位)
「中学1年生の時に初めてBJCに出場して、そこから7年目にしてやっと念願の決勝に進出できたのでとてもうれしかった。決勝では打ちのめされたけど、今持っている精いっぱいは出せたと思う。今年はW杯に出場できることが今から楽しみ。たくさんの経験を積める1年にしたい。応援ありがとうございました」

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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