ボルダリング男子表彰台=(左から)2位の楢崎智亜、優勝の藤井快、3位のマニュエル・コルニュ

藤井快が初優勝、楢崎智亜が2位 日本男子ボルダリング4連覇【クライミング世界選手権2021】

 現地時間19日、クライミング世界選手権(ロシア・モスクワ)のボルダリング男子決勝が行われ、全4完登した藤井快が1位、3完登した楢崎智亜が2位となり、日本勢がワンツーフィニッシュを飾った。

 28歳の藤井が抜群の安定感で自身初の世界選手権優勝を成し遂げた。予選を1位、準決勝を3位で通過した藤井は、決勝第1課題、それまでの3人がゾーンなしの状況で4番手として登場すると、スタートからピンチで止めていくキャンパシングを強靭なフィジカルでこなし、そのまま完登。後続2人もゾーンまで届かなかったため、第1課題は藤井が唯一のゾーン、完登をスコアボードに刻み、それもフラッシュというこれ以上ない展開での滑り出しとなった。

第1課題でただ一人完登した藤井。最後までパフォーマンスは落ちなかった

 第2課題では出だしのランジを決め、連続完登で首位をキープ。楢崎も初完登を記録して4位につけた。勢いに乗る藤井は、緩傾斜の第3課題でも魅せる。繊細な足さばきでゾーンに達すると、持ち手を左手に入れ替えることで体勢を整え、2つ目の一撃。3完登目にして初めて雄たけびを上げた。最終6番手の楢崎も最後まで登り切り単独2位に浮上したが、計算上最終課題での逆転は不可となり、この時点で藤井の1位が確定した。

 最終課題では東京五輪にも出場したアレクセイ・ルブツォフ(ロシアクライミング連盟)が豪快な完登を見せて集まった観客を盛り上げると、藤井もブレのないムーブで2トライ目に攻略。全課題でTOPホールドを手中に収め、自身の決勝を締めくくった。世界選手権では表彰台と無縁だった藤井だが、各課題を2トライ以内に攻略する圧巻のパフォーマンスで初の戴冠。2016年、19年大会では楢崎、18年大会では原田海が頂点に立っており、ボルダリング男子は日本勢の4連覇となった。

 楢崎は2大会連続3度目の優勝こそならなかったものの、最終課題を一撃して2位の座をキープ。予選で藤井が1位、準決勝で楢崎が1位に立ったボルダリング男子は、最後までこの2人が上位争いを牽引した。3位には2016年大会以来2度目の銅メダル獲得となるマニュエル・コルニュ(フランス)が入った。

最終課題を一撃した楢崎が準優勝。2大会連続3度目Vはならなかったものの、3完登の単独2位という確かな結果を残した

<決勝リザルト>

1位:藤井 快(JPN)/4t4z 6 6
2位:楢崎 智亜(JPN)/3t3z 6 6
3位:マニュエル・コルニュ(FRA)/2t3z 2 3
4位:アレクセイ・ルブツォフ(CFR)/2t3z 7 5
5位:ニムロッド・マーカス(ISR)/0t2z 0 9
6位:アンゼ・ペハルク(SLO)/0t2z 0 10

※左から氏名、所属国・先、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

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CREDITS

編集部 / 写真 Nikita Tsarev

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