ボルダリング女子表彰台=(左から)2位のカミラ・モローニ、優勝のナタリア・グロスマン、3位のスターシャ・ゲヨ

ナタリア・グロスマンがボルダリング新女王に輝く【クライミング世界選手権2021】

 現地時間18日、クライミング世界選手権(ロシア・モスクワ)でボルダリング女子決勝が行われ、3つの一撃を含む全4完登をマークしたナタリア・グロスマン(米国)が初の世界女王に輝いた。

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 今シーズンのW杯に彗星のごとく現れ、ボルダリングとリードですでに8度表彰台に上がっている20歳のグロスマン。W杯年間ランキングで首位を走る実力通り準決勝を1位通過すると、決勝第1課題はゾーン獲得後のコーディネーションムーブを華麗に決めて一撃。第2課題は力強いガストンでゾーンに到達し、他選手とは異なるトウフックでボディを安定させながらTOPホールドを捉えた。

決勝第1課題でコーディネーションムーブを決めるグロスマン。第2課題もフラッシュした

 完登に要したアテンプト数の差で首位に立つグロスマンは、続く第3課題でスタートからのランジに3連続で失敗するも、4トライ目に右足を強く踏み込んで攻略。卓越したバランス感覚で極小ホールドを渡り歩き、3完登目を記録した。2位につけるカミラ・モローニ(イタリア)もここまで全3完登の素晴らしいパフォーマンスで追ったが、4つのアテンプト数差はグロスマンにとって十分なアドバンテージだった。

 競技中でも笑顔を見せリラックスした様子だったグロスマンは最終課題も悠々と1トライで仕留め、自身初のボルダリング世界女王に。今大会ではヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)、野中生萌の東京五輪金・銀メダリストが不在となったが、それでもグロスマンの強さが際立っていた。

 2位にはグロスマンと同世代のモローニが入った。準決勝と決勝を全完登する活躍で、スピード、ボルダリング、リードを通じてイタリア人女子では世界選手権での初メダルとなった。3位はスターシャ・ゲヨ(セルビア)で、2大会ぶり2度目の銅メダルを獲得した。

イタリア人女子初の世界選手権メダリストとなったモローニ

<決勝リザルト>

1位:ナタリア・グロスマン(USA)/4t4z 7 7
2位:カミラ・モローニ(ITA)/4t4z 13 11
3位:スターシャ・ゲヨ(SRB)/2t4z 5 7
4位:エレーナ・クラソフスカヤ(CFR)/2t3z 2 4
5位:ブルック・ラバトゥ(USA)/2t3z 3 4
6位:アンドレア・キューミン(SUI)/1t3z 3 4

※左から氏名、所属国、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

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CREDITS

編集部 / 写真 Nikita Tsarev

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