パラクライミング世界選手権で日本勢が金2個、銅1個の活躍
パラクライミング世界選手権が現地時間9月15日から17日にかけてロシア・モスクワで開催され、日本は視覚障がいの男子B1クラスで會田祥、男子B2クラスで濵ノ上文哉が金メダル、機能障がいの男子AL2クラスで結城周平が銅メダルを獲得した。規定により決勝は行われなかったものの、男子B3クラスでは蓑和田一洋が1位に輝いた。
この世界選手権は2年に1回開催されるもので、パラクライミング競技でもっとも権威のある国際大会。第7回となる本大会には、約20カ国からおよそ120人のパラクライミング選手が参加した。このうち日本からは8人の選手が挑んだ。競技はトップロープ形式で行われ、登った高さで順位を決める。
開催にあたり、世界選手権としては初めて専門の医師らが障がいの程度によるクラス分けを実施。この結果、視覚障がい男子の會田がより重たい障がいのクラスへと変更されB2からB1に移るなど、日本人選手でもクラスの変更があった。
予選は15日と16日にCSKA体育館で実施。視覚障がい男子B3は4カ国6人以上という規定開催人数より1人少なかったため、マスター大会としてこの予選のみで順位が決定。蓑和田がルーマニアのコスミンとともに1位となった。
17日の決勝は、モスクワを代表する体育館「パレス・オブ・ジムナスティックス・イリナ・ヴィネル・ウスマノバ」で行われた。會田はB1へのクラス変更によりアイマスクを着けての競技となったが、ナビゲーターの「12時の方向!」などの指示を頼りに確実にホールドを捉え、視覚障がいクラスではただ一人TOPに到達。会場から大きな歓声が上がった。
さらに男子B2の濵ノ上も最上部に迫る粘りで優勝。B3の蓑和田と合わせて、視覚障がい男子では全クラスで日本勢が1位に立った。會田は前回2019年ブリアンソン大会に続き通算4度目のV、ワールドマスターズも含めると5度目の優勝を達成した。また下肢機能障がいの男子AL2では結城周平が強豪のそろう中で3位となり、自身初のメダル獲得となった。
今大会はコロナ禍にあって選手派遣が例年より少ない8人となり、また各国の競技レベルも向上してきている中、日本はメダル3個の獲得という好成績を残した。
<日本人選手結果>
【視覚障がい】
[男子B1]會田 祥/1位(ナビゲーター・宮本 容幸)
[男子B1]小林 幸一郎/5位(ナビゲーター・白井 唯)
[男子B2]濵ノ上 文哉/1位(ナビゲーター・田中 星司)
[男子B3]蓑和田 一洋/マスター1位(ナビゲーター・會田 亮子)
【機能障がい】
[男子AL2]結城 周平/3位
[男子RP2]岡田 卓也/9位
[男子RP3]安良岡 伸浩/5位
[女子RP3/AL2]渡邉 雅子/12位
CREDITS
文 蓑和田一洋 / 構成 編集部 / 写真 JPCA