女子複合予選を通過した野口啓代

野口「最高のパフォーマンスとは言えない」野中「骨が折れてもいい」【東京五輪 女子予選】

 東京五輪のスポーツクライミング競技・女子複合予選が4日に行われ、日本の野中生萌、野口啓代がいずれも上位8名による6日の決勝に駒を進めた。

 今大会での引退を表明している野口は4位となった予選を終え、「リードであまりいい登りができなかったのですごく残念です」と高度を伸ばせなかったリードの成績を悔しがった。スピードについては「公式のベストタイムは出たんですけど、(練習も含めた)自己ベストではなかったのでまだまだタイムは出せそうだと感じました」と決勝でのタイム向上に期待を持たせた。

 全体的に納得のいくパフォーマンスではなかったかもしれないが、「2課題目で登れず失敗してしまったので、第3、第4課題を登らないとかなり厳しいんじゃないかと思っていた。しっかり登れてよかったです」と振り返った得意とするボルダリングでの巻き返しは見事だった。

 決勝に向けては「スピードもボルダーもリードも、まだまだ最高のパフォーマンスだったとは言えないので、明後日最高のパフォーマンスができるように、明日ゆっくりしたいなと思います」とコメント。8月6日、競技生活最後の1日に挑む。

 第1種目スピードで日本記録を2度更新し、3位で予選を通過した野中は「すごくいいスタートを切ったんですけど、得意のボルダーで怪我がかなり気になって中々いい登りができなかった。その後厳しい状況に置かれてしまったんですけど、リードでやるしかないと思って。とりあえず決勝に行けていそうなのでホッとしています」と安堵の表情。

 ボルダリングの競技中に痛めた右手首の状態を問われると「右膝も怪我しているんですけど、ボルダリングが一番3D的な動きを求められる要素が多いので、どうしても痛みが出てきてしまいかばえないので、かなりつらい戦いでした」と6月のW杯で負傷した右膝も万全ではないことを明かした。

 それでも、決勝に向けて力強い言葉を残した。「決勝に残れたらもうやるだけなので、痛いとか言っていられない。骨1本でも2本でも折れていいと思っています。全力で頑張ります」。

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編集部 / 写真 © Dimitris Tosidis/IFSC

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