2位で予選を通過した楢崎智亜

楢崎智亜が2位で決勝に進出! 歴史的なファイナリスト8名出揃う【東京五輪 男子予選】

 東京2020オリンピックのスポーツクライミング競技が、3日に行われた男子予選でついに幕を開けた。出場選手20名による歴史的な戦いで、日本の楢崎智亜がスピード2位、ボルダリング2位、リード14位で全体2位につけ、堂々の決勝進出。一方、原田海は残念ながら18位で敗退となった。

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 第1種目スピードでは、半数近くが自己ベストを更新するなど、選手たちの今大会に懸ける意気込みを感じさせるレースが続いた。1位は5.44秒のバッサ・マウェム(フランス)、2位は5.94秒の楢崎で、ともに上々のスタートを切る。原田は7.08秒にとどまり、15位と出遅れてしまう。

 第2種目ボルダリングは、折り返しの10人目が全4課題を登り終えた時点で2完登が3人のみ。難課題が続いたこの種目で1位を獲得したのが、バッサの弟、ミカエル・マウェムだった。この日31歳の誕生日を迎えたフランス代表は、緩傾斜の第1課題を2トライで沈めると、ホールド間に距離のあるハードな第2課題を16番手にして初登かつ一撃。突っ張る形での困難なゴール取りが立ちはだかった第3課題も1トライで攻略し、最多の3完登に到達した。

ボルダリングで唯一の3完登をマークし、全体1位で決勝に駒を進めたミカエル・マウェム。(写真:ロイター/アフロ)

 そしてこの種目でも2位につけたのが楢崎。第1課題から2連続完登を決め、第3課題でのゴール取り、第4課題でのハンドジャムに失敗してしまうが、2完登した選手の中で唯一4ゾーンを掴み取った。総合成績でも4ポイントで暫定2位。リードを前にして決勝進出を決めた。原田は制限時間ぎりぎりでの第1課題完登を見せたが、その後が続かず、この種目は12位にとどまった。

 最終種目リードでは今年W杯デビューしたばかりの17歳、コリン・ダフィー(アメリカ)が躍動。3番手ながら完登に迫る高度42+をマークする。その後は全体的に高度が伸びない展開が続いたが、19番手のヤコブ・シューベルト(オーストリア)がダフィーの記録に並び、クライミングタイムで上回ってこの種目の首位に立った。楢崎は高度26+で14位と順位を下げるも、スピード2位、ボルダリング2位、リード14位の56ポイントでミカエル(33ポイント)に次ぐ総合2位となった。

 ダフィー、シューベルトとリードで上位の2人が総合3、4位に入り、以降はアダム・オンドラ(チェコ)、アルベルト・ヒネス・ロペス(スペイン)、バッサ、ナサニエル・コールマン(アメリカ)が続き、あさって5日に行われる決勝へと駒を進めた。なお、7位通過のバッサはリードの競技中に腕を痛めてしまい、出場が危ぶまれている。原田はリードでもスコアが伸びず、総合18位で予選敗退。競技後のインタビューでは大粒の涙を流した。

 明日は女子予選。日本の野口啓代、野中生萌が登場する。競技開始時間は17時だ。

予選18位に終わった原田海。

東京五輪出場選手名鑑はこちら

<予選リザルト>

1位:ミカエル・マウェム(FRA)
 33ポイント(S 3位/B 1位/L 11位)
2位:楢崎智亜(JPN)
 56ポイント(S 2位/B 2位/L 14位)
3位:コリン・ダフィー(USA)
 60ポイント(S 6位/B 5位/L 2位)
4位:ヤコブ・シューベルト(AUT)
 84ポイント(S 12位/B 7位/L 1位)
5位:アダム・オンドラ(CZE)
 216ポイント(S 18位/B 3位/L 4位)
6位:アルベルト・ヒネス・ロペス(ESP)
 294ポイント(S 7位/B 14位/L 3位)
7位:バッサ・マウェム(FRA)
 360ポイント(S 1位/B 18位/L 20位)
8位:ナサニエル・コールマン(USA)
 550ポイント(S 10位/B 11位/L 5位)
――――――
9位:アレクサンダー・メゴス(GER)
 684ポイント(S 19位/B 6位/L 6位)
10位:チョン・ジョンウォン(KOR)
 800ポイント(S 5位/B 10位/L 16位)
11位:リシャト・ハイブリン(KAZ)
 884ポイント(S 4位/B 17位/L 13位)
12位:ヤン・ホイヤー(GER)
 891ポイント(S 11位/B 9位/L 9位)
13位:アレクセイ・ルブツォフ(ROC)
 960ポイント(S 16位/B 4位/L 15位)
14位:パン・ユーフェイ(CHN)
 1120ポイント(S 20位/B 8位/L 7位)
15位:ミカエル・ピッコルルアツ(ITA)
 1248ポイント(S 8位/B 13位/L 12位)
16位:クリストファー・コッサー(RSA)
 1440ポイント(S 9位/B 16位/L 10位)
17位:ショーン・マッコール(CAN)
 1680ポイント(S 14位/B 15位/L 8位)
18位:原田海(JPN)
 3060ポイント(S 15位/B 12位/L 17位)
19位:ルドヴィコ・フォッサリ(ITA)
 4563ポイント(S 13位/B 19.5位/L 18位)
20位:トム・オーホールラン(AUS)
 6298.5ポイント(S 17位/B 19.5位/L 19位)

※上位8名が決勝に進出
※上段左から順位、氏名、国名・所属
※下段左から各種目順位の値をかけ算した総合ポイント、各種目順位(S=スピード、B=ボルダリング、L=リード)

東京2020オリンピック競技大会公式サイト(詳しいリザルトはこちらから)

CREDITS

編集部 / 写真 松尾/アフロスポーツ

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