オンライン記者会見した原田海

原田海が五輪への意気込み語る。無観客開催は「正直悲しい」

 東京五輪のスポーツクライミング日本代表・原田海が9日、オンラインで記者会見し、負傷中の指の状態や五輪への意気込みについて語った。

 1月のボルダリングジャパンカップで負傷し、5月に痛みが再発したという指の状態は「60、70パーセントくらい」と徐々に回復してきているといい、リード、ボルダリングともに準決勝敗退となった6月のW杯インスブルック大会については「課題も見つかって、ポジティブに捉えている」と前向きだった一方、コロナ禍によりスポーツクライミングを含む東京都の五輪会場は無観客が決まったことについては「声援は力になるしありがたいものなので、正直すごく悲しい」と話した。以下、主な一問一答。

――負傷している指の状態は?
「まだ万全ではないが、60、70パーセントくらいには回復してきている」

――6月23日~26日に行われたW杯インスブルック大会での出来は?
「リード、ボルダリングとも準決勝には進めたものの決勝には遠い結果になってしまった。悔しいのはもちろんだが、課題も見つかったし、五輪やその後の大会に向けて『トレーニングしたい』という気持ちになれた。結果はあまりよくないかもしれないが、自分的にはポジティブに捉えている」

――見つかった課題とは?
「リードは登り込みがまだまだ足りていない。これに関してはずっと課題にしていたこと。ボルダーは制限時間内にいかに登り切るか。そういう実戦形式でのシミュレーションを積んでいきたい」

――3種目複合で行われる東京五輪でカギになる種目は?
「選手によってさまざまだと思うが、僕はボルダリングが勝負になると思っている」

――具体的な順位は?
「自分のできることをやることしか考えていないので、順位は考えていない」

――東京五輪は(スポーツクライミングを含む東京都の会場の)無観客開催が決まったが。
「声援は力になるしありがたいものなので、正直すごく悲しい」

――五輪で成し遂げたいことは?
「結果を残したい思いはもちろんあるが、こういう時期でもあるし、一生懸命やっている姿を見てもらい、みなさんを勇気づけられたらと思う」

――どのように自分の持ち味を発揮したい?
「僕はまわりの選手に比べて小柄で、筋骨隆々しているわけでもないし、見た目的に強そうには見えないと思う。日本人の体型でもこんな動きができるんだとか、これくらい登れるんだというのを見てもらえれば」

――先日には子どもたちを支援する教育系NPO法人「カタリバ」へ寄付することが発表された。
「僕は子どもの時に母子家庭で育ったので、子どもたちに対しては思い入れがあるというか、僕自身経験したような子ども時代にはなってほしくないと思ったし、その頃に助けてもらったクライミングをもっと知ってほしいと思い、こういう活動をさせていただくことになった」

――どのような子ども時代だったか。
「母は働いていて家にいない時間が多く、僕は家に一人で夜遅くまでいて寂しかったが、早々にクライミングという夢中になれるものを見つけることができた。そういう寂しい思いをしている子どもたちには夢中になれるものを見つけられるキッカケが大事だと思っているので、その手伝いができればと思った」

――子どもたちにはどういう姿を五輪で見せたい?
「クライミングというスポーツがどういうものか知ってもらいたいというのが一番にあるが、僕は好きでこのスポーツを始めて、今も楽しいと思ってずっとやっているので、楽しんでいる様子も見てもらえれば。今後は子ども向けのスクールや施設をできれば作りたいと思っている」

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取材・文 編集部

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