高まった1完登の価値。コンバインドジャパンカップ2021予選後の選手コメント一覧
東京五輪代表組は本番を見据え、スピードジャパンオープンに出場してからの参戦となった本日の第4回コンバインドジャパンカップ予選。ボルダリング、リードの2種目複合で初めての大会を迎えた選手たちは、これがまだ試行錯誤の新ルールとはいえ、ボルダリングの1完登が順位に与える影響の大きさを体感したようだ。以下、予選を終えた選手たちのコメント一覧。
野中生萌(女子1位:決勝進出)
「(スピード新記録について)普段の練習から7秒台は出ていたので、本番でも出せてよかったと思う。ムーブを変えたポイントは一つもなく、W杯ソルトレイクシティ大会で決勝進出できて、そこで一気に8秒の壁を破った感覚がある。(2種目複合の感想は)どうなるのか想像できていなかったが、スピードから始まり、ボルダーはすべて一撃して、リードもわりと頑張れた。満点ではないが、高評価と言っていいと思う」
伊藤ふたば(女子3位:決勝進出)
「新ルールになりボルダーの完登数やリードの高度が重要になってくる大会だと感じていた。そこでボルダーをしっかり4完登できたのはよかったし、リードも出し切れたが、順位的にはボルダーに比べると下がってしまった。明日はもっといい登りができるよう頑張りたいので、応援よろしくお願いします」
野口啓代(女子4位:決勝進出)
「スピードはベストタイムを出せず、普段の練習と壁が変わることが難しい要因になった。ボルダーは3課題を1トライで完登できて、リードも完登できたが、ボルダーで登れなかった1本が点数配分的に大きくて、リードで1位を取っても巻き返しができないようなルールだった。先週末に代表練習会があり、最近は頻度高く3種目をやれているので、五輪までにもっと練習を重ねていき、体力的にも集中力的にもいいパフォーマンスが出せるようにしていきたい」
楢崎智亜(男子4位:決勝進出)
「1番確認したかったのは3種目を流してみて、どんな感覚になるのかというところ。大会で集中してトライするとなるといつも以上に疲れが出た。いまは週に1回3種目の練習をしているが、その頻度を上げていきたい。(2種目複合について)新ルールになったことでボルダーの1完登(が結果に与える影響)がすごく大きくなったと感じている。前半3課題は一撃して自分をコントロールできていたが、最終課題はもっと手の位置を工夫するべきだった。この大会は(東京五輪と)ルールが違うので何とも言えない部分はあるが、(明日もシミュレーションとして行う予定の)スピードをした上で、単種目の選手たちに引けを取らないようなパフォーマンスを発揮したい」
藤井快(男子5位:決勝進出)
「(新フォーマットの感想は)何よりボルダリングの完登がポイントとしてすごく大きい。今日は1完登25ポイントだが、決勝は課題が1つ減るので33ポイントになる。1本登れないときにリードで取り返しがつかないと痛感したので、明日はトライを重ねても全完登しないと優勝は難しいと思う。昨年からリードにすごく力を入れていて、その甲斐あってかボルダリングでもアテンプトのかかるような課題を少ない回数で登れたり、最終トライで完登したり、粘り強いシーンが増えたと思う。なので、今大会は両種目で1位を取ることが目標」
CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 窪田亮