野口&野中がW杯開幕戦に向けて意気込み。1年半ぶりの国際大会に「不安はあるが楽しみたい」
スポーツクライミングの東京五輪代表である野口啓代と野中生萌が13日、W杯今季開幕戦マイリンゲン大会(16日、17日/スイス=ボルダリング)の出発前会見をオンラインで行なった。
国際大会への出場は、2019年10月のリードW杯印西大会以来となる。これについて野口は「1年半ぶりなので、緊張や不安な気持ちはあるが、それ以上に楽しみたい」とコメント。
2人とも口を揃えて話したのが、この1年でのトレーニング成果の確認や、国際大会での感覚を取り戻したいということ。野口は「初戦で自分の足りているところ、足りていないところを確認できれば、その後の修正や調整もしやすい。なるべく早いタイミングでW杯に参戦したかった」とマイリンゲン大会出場の意図を説明した。
ちょうど本日14日で東京五輪まで100日前。帰国後は2週間の隔離期間が待っている。野中は「何ができるかしっかり考えながら、1日1日を過ごしていかないと一瞬で過ぎてしまうと思う」とあらためて気を引き締めた様子だった。以下、2人の主な一問一答。
▼野口啓代
――久々の海外遠征となるが。
「W杯は1年半ぶりなので、緊張や不安な気持ちはあるが、それ以上に楽しみたいと思っている。課題の傾向や海外選手のことも気になるが、この1年間で自分がどう変化して、やってきたことを大会で出せるようになっているのかを1番確認したい」
――競泳やゴルフなど国内外でスポーツの嬉しいニュースが入ってきている。
「アスリートの活躍を聞くと、私もそうだし、周りの方々もすごく嬉しい気持ちになると思う。やっぱりスポーツは素晴らしいなと感じるし、クライミングも、自分も負けていられないなという気持ちにさせてもらえる」
――明日(14日)で東京五輪100日前を迎える。
「これからW杯や(帰国後の)隔離が始まるなかで、あっという間の100日間なんだろうなと想像している」
――帰国後の2週間隔離はどのように過ごす?
「まだ正式には決まっていないが、自宅(にあるクライミング施設)でトレーニングをしていく予定」
――コロナ禍でW杯に参加しないという選択肢もあったと思うが、今回出場すると考えた理由は?
「悩んだ部分はあるが、今年の中で1番ヨーロッパの強豪選手たちが参戦する大会がマイリンゲンなのではないかと思った。初戦で自分の足りているところ、足りていないところを確認できれば、五輪までの残り約100日間で修正や調整もしやすい。なるべく早いタイミングでW杯に参戦したかった」
▼野中生萌
――久しぶりの海外遠征だが今のコンディションは?
「本調子ではないが、仕上がってきている実感はある。国内での練習だけだと比較対象がないので、自分の仕上がり具合や強化してきた部分がどうなっているのかわかりづらい。国際大会が1年半ほどなかったので、大会での感覚を含めて確認していきたい」
――その他に気にしたいところは?
「国際ルートセッターはヨーロッパの方が多い。練習しているとはいえ、国内で日本人が作った課題しか触れないので、今の課題傾向を知るためにW杯に出たいという気持ちもある」
――コロナ禍でこれまでの遠征とは少し違うと思うが、不安は?
「出国前に検査があったり、帰国後も色々な段階を踏まなければいけない。感染も怖いし、不安は沢山ある」
――結果や順位にはどれくらいこだわっていく?
「もちろん出るからには優勝を狙っている。できるだけ高く高くを目指していくつもり」
――明日で東京五輪100日前となるが。
「本当にあっという間なんだろうなと思う。帰国後に隔離があるので、限られた環境、限られた時間の中で、何ができるかしっかり考えながら、1日1日を過ごしていかないと一瞬で過ぎてしまうと思う」
CREDITS
取材・文 編集部