野中生萌「いいところが予選から出た」 ボルダリングジャパンカップ2021【予選後コメント】
30日に初日を迎えた第16回ボルダリングジャパンカップ(以下BJC)は、女子が野中生萌、男子が藤井快と、昨年末の第3回コンバインドジャパンカップ覇者が揃って予選首位に立った。以下、予選を終えた選手たちのコメント一覧。
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野中生萌コメント(予選首位)
「完登できる課題はもちろん狙っているので、全完登はすごくよかった。今回はこの大会にピークを合わせるというよりは、いつも通りトレーニングを追い込んでいて、疲れている状態で臨む大会。練習の成果がどのくらい出るのか、疲れた状態でどういったパフォーマンスができるかにフォーカスしていた。(その意味では)いいところが予選の段階から出たと思う。(悪いと思う所は?)ないです。厳密に言うと5完登5撃ではないので、修正できた点はあったと思うが、落ちてから崩されずにしっかり自分のパフォーマンスができたのはよかった。(腕が太くなった印象があるが)太くなったんですけど(笑)、体重は変動していない。今はクライミングよりもフィジカルトレーニングを増やしている。五輪を見据えた時に逆算するとフィジカルを追い込めるタイミングがこの時期なので、ベースを上げたいと思っている」
森秋彩コメント(女子予選4位)
「コンペが久しぶりで不安が大きく緊張していたが、いざ登り始めたら楽しんで登ることができた。2課題目は苦手意識のあるコーディネーションで、できなかったので悔しい。今日はアップが不十分で動きが少し悪かった。明日はしっかりアップをして、1トライ目からもっと思い切っていきたい。(東京五輪への道が断たれたが)長い間答えがはっきりせずにモヤモヤしていて、急に道が閉ざされてすごくショックだったが、決まったことはしょうがないし、いつまでも引きずっていたら大会でのパフォーマンスも下がってしまうので、そこはもう引きずらず、この悔しさをバネにパリでは『絶対に代表になってやるぞ』という気持ちが強くなった。ダイナミックな動きやコーディネーションが昔から苦手で、今はそこを練習している。得意な保持系など、長所を伸ばすこともしている。本当は苦手をたくさんやったほうが強くなると思うが、苦手ばかりだと楽しいと思う時を忘れてしまう。ただ楽しくて登っていたクライミングを始めた頃の感覚を忘れたくないので、やりたくない時は無理にせず、やる気のある時にコーディネーションをやるようにして、楽しみながら練習するようにしている」
野口啓代コメント(女子予選5位)
「まだ集中しきれていなかったり、1トライ目の詰めが甘かったりと、修正点がいくつかあった。(登れなかった第2課題は)ずっと同じムーブでトライしてしまった。もっと色々なムーブを試せばよかった。去年が最後(のBJC)で、今年もまた最後だなと思って、不思議な心境(笑)。2回目の最後なので、今年こそいい登りで締めくくれたらと思う。やっぱり無観客だと完登した時の拍手や声援がないので寂しい。いつか声援が戻ってくることを信じて頑張りたい。明日はライブ中継でもクライミングの大会が楽しいと思ってもらえるような、盛り上げる登りができれば」
伊藤ふたばコメント(女子予選6位)
「読みづらい課題や動きづらい課題が多く、アテンプトがかさんでしまって反省点は多い。(登れなかった)2課題目の読みなど、今日の反省点を吸収して、明日しっかり集中して頑張りたい。(今春からプロになるが)まだ国際大会が開催されるかわからない状況だが、今までできなかった活動など、新しいことにどんどんチャレンジしていきたい」
藤井快コメント(男子予選首位)
「例年では稀にみる相当ハードなラウンドだった。その中で3完登、それ以外はゾーンを取れている。自分の中で明日に繋がるいいトライがあった。(自己採点は)70点くらい。しっかり決めきれなかった2課題があったのが減点。嫌だなと感じたのは5課題目で、足が上がらなかった。そこは自分の課題としているところだったので、登りたかったが、あともう少し足りなかった。(プロ転向後で初の大会だが)今年はまだ大会がどうなるかわからない状況だが、数少ない大会でしっかり結果を出すのがプロだと思う。出る大会は全てで勝つつもりでいる。プレッシャーも大きかったが、試合になってしまえばそこは一旦忘れて、自分にフォーカスしてトライすることができた」
楢崎智亜コメント(男子予選7位)
「全体を通して課題が難しく、中々決めきれずに2完登で終わってしまった感じ。特に4課題目はスタートのポジションが左にズレてしまって上手く登れなかった。ボルダリングのコンペが久しぶりで、課題に対して上手く自分の登りを合わせられていない。ゴリ押して登っている感じがあり、明日はそこを修正したい。今年から新しくボルダリングのコーチ(宮澤克明氏)に付いてもらい、登り方のレパートリーを増やしている。今大会はそこの確認をしたいと思っている。(コーチを付けた狙いは)自分一人で考えてやっていくのに限界があり、(セッターでもある)克さんは課題を作れるので、その場で苦手な課題を作ってもらって登って修正していくことができる」
原田海コメント(男子予選15位)
「今の力を全て発揮できたかと聞かれるとそうではないので、悔いが残る。(前日会見で調子はこれから上げていく段階と話していたが)12月に休息を取っていて、1月は基礎から始めようと思ってやっている。まだベストな状態ではない。8月の五輪にピークを合わせようとすると、3月頃までは基礎を固めようと思っている。高グレードにトライしたのは、BJCのために今週に入ってから。それ以外は易しいグレードを集中してやるようにしている。難しい課題になると無理やり登ってしまうことがあり、自分に足りない動きは練習しずらい。そういった苦手な動きを易しめのグレードで確認するような作業をしている。クライミング以外のフィジカルトレーニングも自分自身で少し取り入れていて、さらにトレーナーも探している状況」
CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 窪田亮