女子17人目の東京五輪代表に内定したヴィクトリア・メシコワ(ロシア)

新たなスポーツクライミング東京五輪代表が男女ともロシアから誕生

 スポーツクライミングの欧州選手権(ロシア・モスクワ)で大会最終日となった28日、コンバインド決勝が行われ、男子はアレクセイ・ルブツォフ、女子はヴィクトリア・メシコワ(いずれもロシア)が1位となり、同選手権のコンバインド優勝者に与えられる東京五輪出場枠を獲得した。

 新型コロナウイルスの感染拡大の状況を鑑み、オーストリア、フランス、イタリア、スペインの選手たちが出場を見送った今大会は21日から開催され、スピード、ボルダリング、リードの単種目を行った後、27日にコンバインド予選、28日に同決勝が実施された。

 女子コンバインド決勝には、今大会でボルダリング、リードの2冠を達成していた女子のメシコワが順当に進出。メシコワはスピードで2位につけ好スタートを切るも、ボルダリングでは6位に沈んでしまい総合4位で最終種目のリードを迎えたが、プレッシャーに打ち勝って最後まで登り切ることに成功。リード1位となり、総合順位でも逆転で1位に。これまでW杯で一度も決勝進出経験のなかった20歳が今大会最終日にも輝きを放ち、東京五輪行きのチケットを掴んだ。

 男子では32歳のベテラン、ルブツォフが五輪代表に内定した。2009年のボルダリング世界王者であるルブツォフは、決勝のボルダリングで唯一の全完登を果たし総合首位に浮上。リードでは4位となったものの、2位のサッシャ・レーマンに4ポイント差をつけて逃げ切り、優勝が決まった瞬間には喜びを爆発させた。一方、落胆の表情を見せたのがレーマン。リードであと11秒速く完登していればリード1位でルブツォフを上回ることになり、東京五輪行きが決まっていた。

男子で東京五輪行きを決めたのは、国際大会で10年以上活躍しているアレクセイ・ルブツォフ。

東京五輪 出場枠獲得選手

<男子>
1. 楢崎 智亜(JPN)
2. ヤコブ・シューベルト(AUT)
3. リシャト・ハイブリン(KAZ)
4. 原田 海(JPN)※
5. ミカエル・マウェム(FRA)
6. アレクサンダー・メゴス(GER)
7. ルドヴィコ・フォッサリ(ITA)
8. ショーン・マッコール(CAN)
9. アダム・オンドラ(CZE)
10. バッサ・マウェム(FRA)
11. ヤン・ホイヤー(GER)
12. パン・ユーフェイ(CHN)
13. アルベルト・ヒネス・ロペス(ESP)
14. ナサニエル・コールマン(USA)
15. コリン・ダフィー(USA)
16. ミカエル・ピッコルルアツ(ITA)
17. アレクセイ・ルブツォフ(RUS)

<女子>
1. ヤンヤ・ガンブレット(SLO)
2. 野口 啓代(JPN)
3. ショウナ・コクシー(GBR)
4. アレクサンドラ・ミロスラフ(POL)
5. 野中 生萌(JPN)※
6. ペトラ・クリングラー(SUI)
7. ブルック・ラバトゥ(USA)
8. ジェシカ・ピルツ(AUT)
9. ジュリア・シャヌルディ(FRA)
10. ミア・クランプル(SLO)
11. ユリア・カプリナ(RUS)
12. キーラ・コンディー(USA)
13. ラウラ・ロゴラ(ITA)
14. ソン・イーリン(CHN)
15. アランナ・イップ(CAN)
16. アヌーク・ジョベール(FRA)
17. ヴィクトリア・メシコワ(RUS)

※出場枠獲得選手一覧はIFSCの公式サイト掲載リストに基づくもの。
※東京五輪に出場できるのは男女20名ずつ、各国最大男女2名ずつ。
※IFSCは原田海、野中生萌を日本人男女2人目の五輪代表内定者としているが、JMSCA(日本山岳・スポーツクライミング連盟)は選考基準の解釈が突然変更されたとしてそれを不服とし、スポーツ仲裁裁判所に提訴している。

CREDITS

編集部 / 写真 Dimitris Tosidis/IFSC

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